10位と8位で開幕戦を終えたクアルタラロ。厳しい週末に問題を指摘/第1戦ポルトガルGP

2023年3月28日(火)2時5分 AUTOSPORT web

 ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は、悩ましい開幕戦の週末を送った。スプリントレースでは10位、決勝レースでは8位。表彰台争いに加わることができず、初戦を終えたのである。


 苦戦は予選から始まっていた。予選は11番手。クアルタラロは「グリッドをよくするために、1ラップのタイムを上げないといけない」と述べた。


 2023年シーズンはスプリントレースが導入され、土曜日午前中に行われる予選の順位が土曜日午後のスプリントレース、そして日曜日の決勝レースという二つのレースに反映されるため、予選の重要性が増している。2月のセパン公式テストでも、クアルタラロはニュータイヤでタイムが出ないことについて言及していた。だが、ヤマハ陣営が2022年からの課題としていた予選順位について、少なくとも2023年シーズン開幕戦での改善はならなかった、と見える。


 といっても、今回のポルトガルGPではタイムが大幅に更新されたということも一因にあるだろう。金曜日のプラクティス2ではジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリーレーシング)がオールタイム・ラップ・レコードを更新。土曜日の予選Q2では、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が1分37秒226をたたき出し、レコードタイムをさらに更新した。それだけではなく、この予選では9番手のルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシングチーム)までがミラーのレコードを破る、ハイレベルなタイム更新合戦となっていたのだ。

クアルタラロは2022年オランダGP以降、フロントロウに並べていない


 4列目から迎えた二つのレースだが、クアルタラロは土曜日のスプリントレースで10位。スタートでローンチコントロールにトラブルがあり、1周目にジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)の転倒に巻き込まれて最後尾に後退したことも影響した。そして日曜日の決勝レースは8位で終えている。


「とても厳しかった。特に予選からね」と、クアルタラロは日曜日の決勝レース後、囲み取材で週末を振り返った。


「昨日はローンチコントロールの問題があった。そして今日は正しいラインを取れなかった。(バイクの)ベースはそんなに悪くなかったんだ。でも、今は自分たちの乗り方だと、彼ら(上位のライダー)と戦うのは不可能だ。解決策を見つけないといけない」


 クアルタラロは、そしてヤマハはどこで後れを取っているのか。2023年、YZR-M1のトップスピードは向上した。今回のポルトガルGPに関しても、クアルタラロは決勝レースの最高速のランキングで5番手。1番手のヨハン・ザルコ(プリーマ・プラマック・レーシング)から2.2km/h差にとどまっていた。


 ポルトガルGPでクアルタラロが指摘していたのは、スロットルの開け始めからバイクを起こすときのグリップだった。


 土曜日のスプリントレース後の囲み取材で、クアルタラロは「僕たちにはエッジグリップがかなり高いという強みがある。でもMotoGPでラップタイムを出すときはコーナリングスピードじゃない。スロットルを開けるとき、バイクを起こすときだ。上位のライダーに対してロスしているのはそこだと思う」と述べていたが、日曜日の決勝レース後もやはりそこに言及した。


「バイクを起こすとき、グリップが僕たちとほかのメーカーのバイクは全く違う。今、僕たちには解決策がない。接近しても、オーバーテイクができないんだ。彼らが先行して僕が接近する、その繰り返しだから。オーバーテイクできるほどついて走れない。それが僕たちの主な問題だ」


「僕は今日、ホンダの、全メーカーのバイクの後ろにいた。一つのメーカーに対する問題は、どのメーカーでも同じだった。僕たちにはすごくポテンシャルがあるし、速く走れる。ただ、戦えない。ライバルたちと一緒に走れないんだ。そしてもちろん、僕たちよりもずっと進んでいるメーカーもある。何ができるのか、というところで言えることがないんだ」


 ポルトガルGPで、スプリントレース、決勝レースともに優勝したのはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)。対してクアルタラロは初戦で出遅れる形となった。

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