快進撃の浦和実業120キロ変則左腕・石戸颯汰、衝撃の投球 なぜ打てない?プロスカウトの評価は?
2025年3月28日(金)13時30分 J-CASTニュース
野球は奥深い。2025年春のセンバツは、健大高崎・石垣元気がセンバツ最速の155キロを計測し、横浜・織田翔希を筆頭に150キロを超える直球が武器の投手が話題になる中、異色の左腕として脚光を浴びているのが浦和実業の左腕・石戸颯汰だ。
右足を顔付近まで高く上げる独特なフォーム
細身の体から、右足を顔付近まで高く上げる独特なフォームで投げ込む直球は120キロ台。だが、打者が振り遅れてポップフライを連発する。チェンジアップの精度も高い。
昨年秋の秋季大会で浦和学院から2安打完封勝利を飾るなど、公式戦8試合で防御率0.72と抜群の安定感を見せた実力はフロックではない。
同校は春夏通じて初の甲子園出場だったが、マウンド上で飄々と投げ込む姿は緊張と無縁だ。1回戦・滋賀学園戦で6安打完封勝利を飾ると、2回戦・東海大札幌戦も5回から救援登板して4回無失点の快投。
準々決勝の聖光学院戦も7回からマウンドに上がり、タイブレークの延長戦を含めて5回無失点に抑え、ベスト4進出の立役者となった。
「高く上げた右足で左手が隠れるため、打者は球の出所が見づらい」
スタンドから視察するセ・リーグ球団のスカウトは高い評価を口にする。
「高く上げた右足で左手が隠れるため、打者は球の出所が見づらい。腕の振りが鋭く、球がホップするような軌道なので高校生はなかなか打てません。ブレーキのかかったチェンジアップも、直球を速く見せるために有効になっています。あと、低反発バットの影響も大きい。こすっても飛んだ以前の金属バットと違ってきっちり芯で捉えないと外野の頭を越えない。個人的には進路が気になりますね。大学進学の選択肢もあると思いますが、こういう投手こそ高卒でプロに入ってほしい。支配下でドラフト指名する選手があると思いますよ。投球スタイルが重なる星野伸之さん(元オリックス、阪神)みたいに大活躍する可能性があります」
今日28日の準決勝で智弁和歌山と対戦する。機動力や小技を絡めて揺さぶってくる強敵にどのような投球を見せるか。(中町顕吾)