「9回に分けて送金している」元MLB球宴捕手が大谷翔平の潔白主張に疑問 「どうも腑に落ちない」状況とは?

2024年3月30日(土)12時0分 ココカラネクスト

水原氏の証言を「嘘」とした大谷。その証言にはさまざまな疑惑の目が向けられる。(C)Getty Images

 いまだ真相解明の兆しは見えてこない。2018年から大谷翔平(ドジャース)の専属通訳であった水原一平氏が違法賭博に関与した疑いでドジャースから解雇された問題だ。

 まさに非常事態となった。そうしたなかで、注目を集め続けているのは、大谷側の証言だ。

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 すでに大谷の弁護士は「大規模な窃盗被害にあったことが判明し、当局に引き渡した」という声明を発表。さらに本人も現地時間3月25日に本拠地で開いた記者会見で「僕自身、何かに賭けたり、スポーツイベントに賭けたり、頼んだこともないですし、送金を依頼したこともありません」と主張。「水原氏からは虚偽説明をされていた」「口座からお金を盗まれた」と一貫して、潔白を訴えた。

 ただ、すでに大谷名義の口座から450万ドル(約6億8000万円)のお金が違法賭博の胴元にわたっていることが判明。複数年にわたって50万ドル(約7500万円)ほどの多額の資金が複数回に分けられて送金されてもいる。

 さらに米スポーツ専門局『ESPN』が今月19日に行ったインタビューで水原氏が、「翔平は事実に喜んではいなかったが、私がこれからギャンブルをしないよう助けると言った」と証言。大谷自身がパソコンを操作し、複数にわたって、相手側の口座に送金したと具体的に説明してもいた。後に大谷側が水原氏の証言を「嘘である」と否定。同氏も「翔平は賭けには関与していない」と撤回していた。

 しかし、19日時点での発言が具体的であったことから、いまだ疑義を持つ米メディアも少なくない。水原氏が無断で大金を送金することは「ほぼ不可能」(米経済誌『Forbes』)という見方もある。

 球界OBの中にもシビアな見解を持ち続ける者もいる。19年間の現役生活で通算2043安打、188本塁打の実績を残した名捕手A.J.ピアジンスキー氏は、米スポーツ専門局『FOX Sports』のポッドキャスト番組「OutKick」に出演。そこで「まず、素晴らしい才能を誇るショウヘイのために調査結果がプラスになるように望んでいる」としたうえで、「だが、他人の口座から複数回も大きな送金をどうやってできるのかが分からない。このストーリーには疑わしい匂いがする」と疑問を投げかけている。

「ショウヘイは、毎日のように自分の口座を見ないかもしれないが、彼ほどの選手には、お金の動きを目にできる人がいるだろう。『ところで50万ドル(約7500万円)の送金が9回あった。9回も、だ』と言う人がいるはずだ。送金が1回ならば『そうか、何も気が付かなかった』となるかもしれないが、450万ドル(約6億8000万円)を合わせて9回に分けて送金したんだぞ? それが少しばかり奇妙に思うところだ」

「口座に触れるべきではない人にアクセスを許していた」

 もっとも、ピアジンスキー氏は「ショウヘイだけが珍しいわけではない。お金を騙し取られてしまった人々を多く知っている」と指摘。大谷側の主張にも一定の理解を示している。

 一方で「彼ら(騙された人)は口座に触れるべきではない人にアクセスを許していた。それは口座の金額が変わる度にアクセスできる財務担当者か代理人だ。しかし、今回のショウヘイの件に関していえば、それは親友の通訳だった」と、他とは状況が異なっているという見解を示している。

「俺にとって他に奇妙なことは、すべてが明らかになった日(20日の韓国でのパドレスとの開幕戦)の試合中に、2人は同じベンチにいて『ヘイ! 俺たちは友だちだろ? 今日も夕食に行こう』というような雰囲気だったことだ。それが突然、試合後に『いいや、この男は何も知らない間に僕から450万ドル(6億8000万円)を盗んでいた』となったんだ。この状況が、どうも腑に落ちないんだよ」

 今後も米連邦捜査局、内国歳入庁と国土安全保障省の共同捜査、MLBといった関係当局の調査は徹底的に行われていく。そのなかで現在、所在が不明となっている水原氏や関係者による証言次第で新たな動きが起きる可能性もあるだけに、問題のハレーションは当分収まりそうにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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