F1予選での“紳士協定”破りを指摘されたマゼピン「チームからの指示。追い越してはいけないと知らなかった」

2021年3月31日(水)16時38分 AUTOSPORT web

 ハースF1チームのルーキーであるニキータ・マゼピンは、2021年F1開幕戦バーレーンGPの予選Q1で、アタックラップの直前にオーバーテイクはしないという“紳士協定”を破ったとの指摘を受けた。これに対しマゼピンは、チームの指示でとった行動であると説明した。


 Q1終盤、マゼピンは最後のアタックを前に、ピットレーンにおいてFIAの車重計測で足止めされ、時間をロスした。時間切れでアタックラップに入れないことを恐れたチームは、タイムを上げる最後のチャンスを逃さないため急ぐようにとマゼピンに指示したという。


 最後のアタックラップのためにウォーミングアップをしているドライバーの一群に加わったマゼピンは、前の何台かを抜いてラップをスタートした。


「計量台で長いこと足止めされ、多くの時間を失った」とマゼピンは語った。


「チームから、今行かなければスタート/フィニッシュラインを越えるのに間に合わなくなると言われた。僕はチームの一員だ。指示されたとおりに行動する。彼らの指示は、プッシュしろというものだったので、プッシュした」


 予選でどのチームもドライバーもできるだけ有利なコンディションでアタックをすることを目指すため、セッション終盤にウォーミングアップのアウトラップを走るドライバーたちのなかで渋滞が起こることがある。その際、アタックラップ直前になって走行順序を変えないことが、ドライバー間で暗黙の了解とされている。


 しかしマゼピンはアタックに入る前の最終コーナーで前にいるマシンを次々とオーバーテイクし、その後にターン1でスピン、イエローフラッグの原因を作った。すぐ後ろを走っていたセバスチャン・ベッテルは最後のラップでタイムを更新できず、さらにイエローフラッグに適切に対応しなかったと判断されて、ペナルティも受ける結果になった。




 マゼピンは、コース上でのこの慣習を知らなかったという。
「その協定については聞いたことがなかった。今後は注意を払うよ」


 ターン1でのスピンについて、マゼピンはブレーキ・バイ・ワイヤのトラブルがこの不運を誘発したと語った。


「ブレーキ・バイ・ワイヤに問題があり、リヤがロックアップしてしまった。なぜターン1に進入する時にそうなったのか分からない。ロングペダルになってしまっていた」とマゼピン。


「調査する必要がある。テストやフリー走行では起きなかったことで、全く予想していなかった」


 マゼピンはチームメイトのミック・シューマッハーに続く19番グリッドからスタート、1周目にスピンを喫し、初のF1決勝をリタイアで終えた。

2021年F1第1戦バーレーンGP ニキータ・マゼピン(ハース)がクラッシュ




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