魚雷バットはスポーツベッティング業界に影響を与えるか?話題沸騰で使用選手を対象とした「タブ」の新設も

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　スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」が話題の「魚雷バット（トルピード）」がスポーツベッティング業界にどれだけ影響を与えるかをレポートしている。

　ベットの種別には両チームの合計得点に賭ける（オーバー/アンダー）があるが、スポーツベッティングアプリ「Pikkit」によると、開幕戦のブルワーズ対ヤンキース戦でのラインは「8」でオーバーに賭けた割合は42.5％だった。

　ヤンキースの一部選手が使用し「魚雷バット」で本塁打数の向上が話題となり始めたシリーズ最終戦のラインは「8.5」。しかし、この試合ではオーバーのベット割合が49.8％に上昇。そして1日夜のヤンキース対ダイヤモンドバックス戦に向けては状況は一変、ライン「8.5」に対し、オーバーに賭けられた割合は90.5％に達した。

　ブックメーカー側はこの流れに動じていない。関係者は「ヤンキースの3試合目あたりからオーバーのベットが増えてきたのは確かですが、これは単に賭ける人がトレンドを追っているだけです。我々はわずか3試合という小さなサンプルで拙速な対応をすることはありません。今夜のダイヤモンドバックス戦では先発がコービン・バーンズですが、それでもオーバー/アンダーのラインは「8.5」のまま。つまり、現時点では大きな調整は行っていません」と説明する。

　一方で一部のブックメーカーは、話題沸騰に乗じて新たなオファーを展開し始めている。「ドラフトキングス」はスポーツブックアプリのMLBセクション内に「魚雷バット」のタブを新設。このタブでは、魚雷バットを使用している打者の本塁打に関する賭けだけが表示されるようになっている。アンソニー・ボルピ、ジャズ・チザム、コディ・ベリンジャーといったヤンキースの選手に加え、オニール・クルーズやエリー・デラクルスへの賭けが増えている。

　注目すべき市場の一つが、本塁打プロップベット（特定の選手が本塁打を打つかどうかに賭けるもの）だ。「例えば、ボルピやチザムのようなスターではない選手でも、魚雷バットを使っていることで、本塁打プロップベットのアクション（賭けの量）は開幕戦と比べて5倍ほど増えています。ボルピの開幕戦での本塁打オッズは12倍でしたが、現在は7倍まで下がっています。チザムは開幕戦では本塁打オッズが7倍程度でしたが、今日は5倍を切っています。こうした調整は行われていますが、試合の合計得点に関する大幅な調整を行うには、まだサンプル数が少なすぎると考えています」と関係者。

　今後魚雷バットの影響によってスポーツブックがオッズの調整をどれだけ迫られるのか。この話題は、シーズンが進むにつれてさらに注目を集めるだろうとしている。