名門WSRが2024年型『BMW 330e Mスポーツ』を披露。シリーズは世界初のTikTokライブ中継も発表/BTCC

2024年4月3日(水)12時12分 AUTOSPORT web

 元WTCC世界ツーリングカー選手権王者でもあるロブ・ハフが、新たにスピードワークス・モータースポーツ(SWM)に加入しフル参戦を果たすことが決まったBTCCイギリス・ツーリングカー選手権だが、ときを同じくして名門ウエスト・サリー・レーシング(WSR)も2024年の参戦体制をアナウンス。引き続きチームBMWとしてエントリーするコリン・ターキントン、アダム・モーガンの2024年仕様『BMW 330e Mスポーツ』を披露している。


 世界に名だたるツーリングカー・シリーズの先駆者として、FFとFRの両駆動方式を許容するNGTC規定において、つねに“後輪駆動の代表格”として君臨してきたBMWだが、2024年モデルは引き続きBMWのファクトリー仕様カラーリングを採用するとともに、前後のエアロバランス最適化を狙った形状変更が施され、空力、冷却、シャシーの各分野ともにアップデートを受けたという。


 すでにジョイントチームであるレーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツよりジェイク・ヒルの車両がお披露目されているが、2017年にBMW UKの支援を得てマニュファクチャラー登録でのエントリーとなっているWSRは、今季もヒルを含む全4台にBMWより供給される2.0リッター直列4気筒の新エンジンを搭載し、そのチューニングは引き続きニール・ブラウン・エンジニアリングが担当する。


「2024年シーズンに向け、ふたたびチームBMWの一員となり、こうして最新の『BMW 330e Mスポーツ』でレースができることを非常にうれしく思う」と語るのは、前人未到5回目のBTCCタイトルを追うことになるターキントン。


「僕にとってWSRでの活動は今季で18年目になるが、これ以上に優れたチームで戦える可能性はどこにもないだろう。チームはこの冬の間、BMWのパフォーマンスを向上させるために信じられないほど懸命に働いてきた。表彰台獲得と勝利を目指して全力を尽くし、ドニントンでの開幕戦からいつでも最高の、そしてもっとも競争力のある自分になることに集中している」


 同じくWSRで2年目を迎えるモーガンも「とても長く感じた冬を乗り越え、ようやくチームとの2年目を迎えられた」と新シーズンへの意気込みを語る。


「2023年、僕らは一緒に戦うことになった最初の週末で表彰台を獲得し、抜群の相性を示すことができた。今の目標はWSRで初勝利を収め、すべてのイベントで勝利と表彰台を確実に狙うことだ」と続けたモーガン。


「それができれば非常に良いシーズンを送ることが可能となり、コリンと僕でチームタイトル獲得に向け大きなチャンスを掴むことができるだろう。アップグレードされたBMWをテストし、今シーズン何が達成できるかを確認する瞬間を楽しみにしているよ」

2024年モデルは若干変更されたカラーリングを採用するとともに、前後のエアロバランス最適化を狙った形状変更が施され、空力、冷却、シャシーの各分野ともにアップデートを受けたという
エンジンチューニングは引き続きNeil Brown Engineering(ニール・ブラウン・エンジニアリング)が担当する
4台目のBMWの詳細はやがて発表される予定となっている


■タイトルスポンサー変更のPMRは『アストラBTCC』を公開


 同じく、かつてはヴォクスホールのファクトリー登録チームとしても戦ったパワー・マックス・レーシング(PMR)も、今季マイキー・ドーブルとアーロン-テイラー・スミスのドライブする2024年型『ヴォクスホール・アストラBTCC』を公開。カラースキームこそ踏襲したものの、タイトルパートナーを英国内の自動車小売業界でリレーし、昨季2023年のカーストアからエバンス・ハルショウへと更新している。


 昨シーズンはルーキーとしてアンドリュー・ワトソン(今季はTOYOTA GAZOO Racing UKに移籍)とジャック・シアーズ・トロフィーを争ったドーブルは、チームメイトのテイラー・スミス同様に「新しいルックスに感銘を受けた」とその感想を述べた。


「この新しいカラーリングが、今季のアストラに新たな命を吹き込むことになると思う。非常に現代的な魅力があるし、コース上ではさらにスマートに見えるはずさ。いつものように新しいスポンサーを歓迎するのは素晴らしいこと。素晴らしいBTCCファンが、この目を引く新カラーリング、レースウェア、グッズを楽しんでくれることを願っている」


 さらにシリーズ運営団体であるTOCAは、2024年の全30レースをライブ中継するITVとの契約において、世界初のTikTok(ティックトック)による配信を発表。この契約により、すべてのレースはITV SportのTikTokチャンネルを通じてイギリス内外の視聴者に生中継され、全レースが同プラットフォーム上でストリーミング配信されるのは「このシリーズが初になる」と宣言した。


「これはBTCCにとって本当に画期的な動きだ」と語るのは、おなじみTOCA代表を務めるシリーズ最高責任者のアラン・ゴウ。


「改めて、レースシーズン全体をTikTokでライブストリーミングする世界初の主要モータースポーツ選手権となることを非常に誇りに思っている。これは現在ITV4とITVXで無料ライブ配信されているイギリス国内での広範な生放送に加え、さらに見栄えが増す本当の意味での『華を添える』施策になるだろうね」

Power Maxed Racing(パワー・マックス・レーシング/PMR)も、今季マイキー・ドーブルとアーロン-テイラー・スミスのドライブする2024年型『ヴォクスホール・アストラBTCC』を公開
「非常に現代的な魅力があるし、コース上ではさらにスマートに見えるはずさ」とマイキー・ドーブル(左)
シリーズ運営団体であるTOCAは、2024年の全30レースをライブ中継するITVとの契約において、世界初のTikTok(ティックトック)による配信を発表


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