ル・マン24時間:青木拓磨を起用するソーセ・レーシング、新型コロナの影響うけエントリーを撤回

2020年4月15日(水)11時50分 AUTOSPORT web

 第88回ル・マン24時間レースへの出場が予定されていたソーセ・レーシング・チーム41(SRT41)は4月14日、世界各地に感染が拡大している新型コロナウイルスの影響を受け、同レースの特別枠“ガレージ56”のエントリーを取り下げた。


 両手両足を失いながら2016年に初めてル・マン24時間に挑み、四肢切断者として初めての完走を初出場で成し遂げたフレデリック・ソーセ。彼が運営するSRT41は、身体に障害を持つ3人のドライバーを起用し2019/20年シーズンのWEC世界耐久選手権に組み込まれたフランス伝統の耐久レースに復帰する予定だった。


 しかし、ソーセはレースの約5カ月前となった14日、新型コロナウイルスのパンデミックがチームの準備に影響を与えたため、ル・マンのエントリーを取り下げざるを得なくなったことを確認している。


 以前の発表で、特別な改造を受けたLMP2カー『オレカ07・ギブソン』を用い、このマシンをナイジェル・ベイリー、スヌーシ・ベン・ムッサ、元WGPライダーの青木拓磨の3名がシェアするとしていたSRT41。その運用サポートにはELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズなどを戦うLMP2チーム、グラフが携わるとされていた。


 そんなSRT41は現在、2021年のル・マンのグリッドに着くことを目指しており、ル・マン24時間の主催者であるACOフランス西部自動車クラブに対してすでにリクエストを出しているという。


 また、ソーセは24時間レースへの出場を見合わせたのにもかかわらず、SRT41のオレカをELMSの2レースに出場させる計画があるとEndurance-Infoに語った。


「2020年(のエントリー)を諦めるのがもっとも賢明な選択だった」とソーセ。


「現在の状況は、私たちがコントロールできない多くの結果をもたらしている。それによる明らかな準備不足もある」


「このような冒険は本質的にコミニュケーションに基づいており、我々が今まさに経験している状況のなかでレースに参加することは、私を悩ませることになる。しかし、私たちはそのプロジェクトのページをめくっていない」


「この休暇によって、できるだけ早く新しいパートナーを見つける時間を確保することができる」


「私はすべてのパートナーに個人的に電話をして、今回の計画の遅延を説明した。そうして全員が決定を承認してくれた。この冒険を信じ続けているパートナーの支援を(引き続き)得られると前向きに考えている」


「今回の件では、私が2015年にモータースポーツを初めて以来、もっとも大きな決断を下さなければならなかった。パートナーの情熱は損なわれておらず、それは私にとって不可欠なものだ」


 SRT41がエントリー撤回は、リザーブ枠1番に入っていたスピリット・オブ・レースがル・マンへの出場権を獲得したことを意味する。また、次に出場を取りやめるチームが出た場合には、同枠の2番目に入ったバイコレス・レーシングチームがLMP1クラスへの参戦権を得ることになる。
 
 55号車フェラーリ488 GTE Evoを用いLM-GTE Amクラスに挑むスピリット・オブ・レースは、ELMSの常連であるダンカン・キャメロン、マット・グリフィン、アーロン・スケットという3名のドライバーを起用する予定だ。

バイコレス・レーシング・チームの4号車ENSO CLM P1/01・ギブソン


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