混乱のレース展開で名門にまさかのミス「ポストもまったく見えませんでした」「トムスとしては大失態」【第1戦GT500決勝MixVoice1】

2023年4月16日(日)22時55分 AUTOSPORT web

 2度のFCY(フルコースイエロー)、3度のSC(セーフティカー)に3度の赤旗で終了するという過去に類を見ない大波乱のレースとなった2023年スーパーGT開幕戦岡山。その中でも今回、大きなチャンスを得ながらまさかのミスで2台ともノーポイントに終わってしまったトムスの2台の状況を聞いた。


■36号車au TOM’S GR Supra、最後のピットストップでタイヤ交換ミス


 10番手スタートから着々と追い上げたau TOM’S GR Supra。1度目の赤旗中断時にはトップに立っていたものの、雨が降りしきるなかでスリックタイヤを装着していたため、セーフティカー先導中にピットレーンオープンになったタイミングで、ウエットタイヤへの交換を行った。


 しかし、左フロントタイヤのナットが取り付けられる前に、ジャッキが降りてしまい、36号車のステアリングを握っていた宮田莉朋は発進。ピットアウトするものの、走行継続は難しく、すぐにマシンを止めた。


「予選は流れが悪かっただけでしたけど、36号車のポテンシャルの高さを証明できたところはあったと思います。(スタート担当の)坪井(翔)選手も素晴らしい追い上げをしてくれて、自分も奮い立ちましたし、途中3号車(Niterra MOTUL Z)も抜くことができました。ただ、残念だったのは、その後でした」と宮田。


「スーパーフォーミュラでも昨年チャンスがある時に、こういうミスが最近目立っているので、そこも含めてチームとドライバーが普通のレースができるように、どんな場面でもミスをしないようにしていきたいなと思います」と、今一度チームと共に改善に取り組みたいと語った。

最後のピットストップで左フロントタイヤが締められないままピットロードに出てしまったau TOM’S GR Supra


●36号車au TOM’S GR Supra 伊藤大輔監督


「(SC中で)ピットオープンになった時に、ほぼ全車が入ってくるような状況でしたけど、もう少し落ち着いていっても良かったのですけど、ちょっと気持ち的にはやってしまったのか、ミスが出てしまいました」


「ドライバーはジャッキが降りた時点で発進するしかないので、そこは責めるところではないです。とにかく、ああいう状況下でも、みんなが落ち着いて仕事できるかということがこれからも大切になってくるのかなと思います。そこはキチンと次戦に反映させたいと思います」


■37号車Deloitte TOM’S GR Supra FCY中のピットインでペナルティ


 6番手からスタートした37号車は笹原右京がスタートスティントを担当。序盤は混乱のなかでポジションを落としてしまうものの、GT300との混走をうまく利用し、ポジションを挽回していった。そんな中、雨が強くなった16周目に、ウエットタイヤを求めてピットインをした笹原だが、フルコースイエロー導入後にピットインしたため、後に60秒ストップという重いペナルティを受けた。


「あの時は“カオス”でした。(最初のピットイン時は)雨が強くて、水しぶきで前が何も見えない状態でした。(フロントウインドウへの)雨の当たり方が尋常じゃなくて、前も全く見えず、ポストもまったく見えませんでした。前にいた100号車(STANLEY NSX-GT)がピットに入ったので、それについて行くしかなかったという状況です」


 37号車がピットインした周は、かなり雨量になっていたとのこと。それでも、車内に設置してあるFCY導入を伝えるインジケーターで確認できるのだが、それもうまく機能していなかったようだ。


「実はインジケーターも全然表示されなくて、めちゃくちゃディレイしている状態でした。ちょうど入った時にパンっ!と(FCYの)表示が出たので『終わったかも……』とは思いました」と笹原。


 このピットストップで、一時は2番手を走行し、表彰台圏内も見える位置で走行していたが、ペナルティによりポイント圏外へ後退。それでも、力強いペースで走れたことが笹原自身の中でも印象に残ったようで「結果は残念ですけど、中身としては、ポジティブでした。次の富士がすごく楽しみです」と、特に落胆している様子はなかった。

FCY導入ギリギリでピットインして2番手でコース復帰したDeloitte TOM’S GR SupraだったがFCY中との判定でペナルティ


●37号車Deloitte TOM’S GR Supra 山田淳監督


「最初のFCY、ドライバーも(FCYインジケーターが)見えていなくて、ただタイミング的にはギリギリだったので、仕方がなかったといえば仕方がなかったかな……。まあ、その後ですよね、トムスとしては。36号車もやってはいけないミスが出てしまった。あの時点で37号車はラップダウンだったので、36号車のピットインを優先させるべきだと思って37号車はステイアウトさせて、36号車を優先させて、いいタイミングでピットに入れたのですけど、あのままコースに出られていれば23号車とどういうレースになったかわかりませんけど、結果的に赤旗で終わったことを考えると……(勝てていたかもしれない?)そうですね。トムスとしては大失態ですし、トムスらしいレースでもなかったですし、深く反省しています」

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