最後のチャンスで勝負に出るも、痛恨のクラッシュ「純粋に失望」とWTRアキュラのテイラー/IMSA第3戦

2023年4月17日(月)18時22分 AUTOSPORT web

 4月15日にアメリカ・カリフォルニア州のロングビーチ・ストリートコースで開催されたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第3戦。2023年シーズン唯一の市街地ラウンドとなった今戦は、レース最終盤にGTPクラス優勝を巡るバトルが勃発し、総合2番手から首位をうかがった10号車アキュラARX-06がターン1のバリアに刺さるというドラマで幕を閉じた。その当事者であるリッキー・テイラーがアクシデントのあと心境を語った。


 フィリペ・アルバカーキとともにウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドロッティ・スポートの10号車アキュラARX-06をドライブするテイラーは、残り2周となったラップで首位6号車ポルシェ963をパスするミッションに失敗し、タイヤバリアの中で『アキュラ・グランプリ・オブ・ロングビーチ』を終えることとなった。彼は自分自身に「純粋な失望」を抱いたという。


 ポールポジションからこのレースをスタートした10号車は、100分間のスプリントレース中、唯一のピットストップでドライバー交代に問題があり、コース復帰後は5番手に後退してしまう。しかし、アルバカーキからステアリングを引き継いだテイラーは見事な挽回を見せていた。


 彼は残り9分のタイミングでマット・キャンベル駆る7号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)を攻略して2番手に順位を上げたあと、約8秒前方に位置する6号車ポルシェ963にも迫っていった。


「僕は自分がトラックポジションのどこにいるのか、まったく分からなかった。彼ら(チーム)はただ、僕に次のクルマが前にいることだけを教えてくれた」とテイラーはSportscar365に語った。


「このコースで(ライバルのクルマを)追い抜くのは簡単ではないし、(7号車のマット・)キャンベルは僕を抑え込むために本当にいい仕事をした。彼のクルマは僕たちのペースから大きく離れていた。それでも彼をオーバーテイクするには、かなりのリスクが必要だったんだ」


「そうなると、(優勝の)チャンスがあるかどうか確信が持てなかった。キャンベルと比較するとジャミネはインフィールドのペースが優れていた。そのため、簡単には動けないだろうと思っていたよ」


「あのラップでは、彼が最終セクターでわずかに遅れた。その一瞬の隙を突いて接近したとき僕たちは本当に近くにいて、これが唯一のチャンスだと思った」


 テイラーはメインストレートで6号車のスリップにつき、ターン1向けてイン側からジャミネに並びかけた。しかし、ブレーキングゾーンの後半で問題が発生。直後、アキュラのGTPカーはタイヤバリアに突っ込んでしまったという。




「(ブレーキのタイミング)そんなに遅くはなかった」と彼は言った。僕自身は「ブレーキゾーンの中盤で、パスが決まったと感じ大丈夫だと思った」


「ブレーキゾーンの後半、その部分がまだコースがグリーンだったのかどうかは分からない。僕たちはイン側でそれほどアグレッシブにブレーキをかけることがないからだ。ただ、その場所で大きく滑ってしまった」


「すべてのハードワークが最終的に無駄になったようなものだ」


■クルマはGTP最速なのに……「結果が出ていないのが残念」


 ロングビーチのレースを見た者の多くが感じていたのと同じように、テイラーは「自分たちが明らか優勢だった」と見ている。


「フィリペ(・アルバカーキ)は最初のスティントで素晴らしい走りをした。このようなスプリントレースは、紙の上では簡単なことのように思える」と彼は述べた。


「我々はつねに勝ちたいと思っているチームであり、とくにここではアキュラにとって最高のクルマを持っていた。それが僕たちが最終的に目指していたことだ」


 レース最終盤のクラッシュは、先月フロリダ州で行われたIMSA第2戦セブリング12時間で、アルバカーキが終盤に優勝争いをしながら3台の玉突き事故に巻き込まれ、ウェイン・テイラーのチームが同レースを完走できなかった後に起こった。


「(今日のレースが)『アキュラ・グランプリ・オブ・ロングビーチ』ということで、このような機会がある以上、優勝以外では物足りなかったと思う」と続けたテイラー。


「アキュラとともにここに来て6年目だったし、すべての改善とハードワークの後、彼らに勝利を与えたいと本当に思っていた」


「HPD(ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント)には200人以上のスタッフがいて、マシンをこれほどまで良くしてくれた」


「(今日のレースは)僕とっては純粋に失望する結果で、しばらくはこのことを考えることになるだろう」


「だが、勝利は必ずやってくる。もしもの話ではない。しかし、今日は残念ながら少し後れを取ってしまい少々難しかったと思う」


「チーム、HPD、アキュラ、オレカ、みんなが最高のマシンを与えてくれたことを証明したし、みんながそれを見てくれたと思う。それだけに結果が出ていないのが残念だ」

ポールポジションからスタートし、レース前半をリードした10号車アキュラARX-06はピットストップで後れを取り5番手に後退。その後2番手まで順位を回復していたが……

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