スーパーGT：第2戦富士のエントリー発表。ジェームス・ロシター、坪井翔がGT500参戦

　スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは4月20日、富士スピードウェイで5月3〜4日に開催する第2戦のエントリーリストを公開した。

　例年、大型連休中に開催され、シリーズで最大の動員を誇るスーパーGT第2戦富士。通常レースより長い500kmで争われ、ピット戦略も含めてさまざまなドラマが起こる1戦だ。

　スーパーGT500クラスではエントリーする15台のうち、au TOM’S LC500の中嶋一貴、DENSO KOBELCO SARD LC500の小林可夢偉がスケジュールがバッティングしているWEC世界耐久選手権第1戦スパに出場するため不参加。それぞれ代役が立てられている。　

　一貴の代役として関口雄飛のパートナーを務めるのは2017年もau TOM’S LC500をドライブしていたジェームス・ロシター。昨年の第2戦富士ではチームの4位入賞に貢献したほか、夏の第5戦富士では72kgのウエイトを背負いながら予選3番手に食い込むアタックを披露しており、強力な助っ人となることは間違いない。

　また、可夢偉の代役には今年GT300クラスでHOPPY 86 MCのレギュラードライバーを務める坪井翔が起用された。第1戦岡山ではチームに3位表彰台をもたらした坪井は開幕前のテストでDENSO LC500をドライブしているが、GT500クラスでレース戦うのはこれが初めてとなる。

　昨年は、同じくつちやエンジニアリングからGT300に参戦していた山下健太が第2戦でWedsSport ADVAN LC500をドライブしてポテンシャルを発揮。2018年のシート獲得につなげているだけに、新進気鋭の若手である坪井がベテラン相手にどういった走りをみせるかは見どころだ。

　4月7〜8日に行われた第1戦岡山で、GT500クラスはレクサス、ホンダ、ニッサンによる接近戦が繰り広げられた。特に今年はライバル陣営からホンダNSX GT勢のストレートスピードが向上しているとの声が聞かれており、長い直線を持つ富士でも戦闘力を発揮しそう。ホームレースとなるレクサスLC500勢、富士を得意とするニッサンGT-R勢も戦闘力は充分で、第1戦同様の激戦が予想される。

■GT300もレギュラー陣に変更。7チームが第3ドライバー登録

　GT300クラスではHOPPY 86、RUNUP RIVAUX GT-Rにドライバー変更があったほか、7チームが第3ドライバーを登録している。

　HOPPY 86については先に述べたように、坪井がGT500へ参戦するため、松井孝允のパートナーには近藤翼が起用されている。また第3ドライバーにはチーム監督である土屋武士も名を連ねた。

　また、RUNNUP GT-Rは第1戦のクラッシュで胸椎骨折の怪我を負った柴田優作が参戦を見送り。田中篤、青木孝行のコンビで戦いを挑む。

　第3ドライバーとしては、マッハ車検 MC86 Y’s distractionにチーム監督の玉中哲二が登録されたほか、TAISAN R8 FUKUSHIMAに中野信治、植毛 GT-Rにリチャード・ブラッドリー、EXE AMG GT3に坂本祐也、リーガルフロンティア ランボルギーニGT3に高橋翼が名を連ねている。なかでも植毛 GT-Rに起用されたブラッドリーは2011〜13年まで全日本F3選手権やスーパーフォーミュラを戦っていたドライバーで、ひさしぶりの日本国内レース復帰となる。

　GT300クラスはエンジンパワー、ストレートスピードでアドバンテージがあるFIA-GT3勢が上位に来る可能性が高いが、長丁場のレースなだけにJAF-GT／マザーシャシー勢は“十八番”と呼べるタイヤ無交換作戦が武器になる。GT500同様、マシンとドライバー、チームの総合力が試される戦いとなりそうだ。

　また、現時点で参加条件が明らかにされていないものの、第1戦直前に性能調整（BoP）が変更されたニッサンGT-RニスモGT3エボルーションモデルはストレートスピードが最大の武器。最新GT3モデルとしてパフォーマンスを存分に発揮できるか、今後発表される参加条件とあわせて注目したい。

■2018スーパーGT第2戦富士 GT500クラス エントリーリスト（4月20日時点）

■2018スーパーGT第2戦富士 GT300クラス エントリーリスト（4月20日時点）