【大谷翔平と松井秀喜氏の2人を知る男(下)】ドジャース移籍で松井氏と“同じ状況”になった大谷

2024年4月23日(火)5時1分 スポーツニッポン

 ◇ナ・リーグ ドジャース10−0メッツ(2024年4月21日 ロサンゼルス)

 ドジャース・大谷翔平投手(29)が21日(日本時間22日)、メッツ戦で今季5号2ラン。松井秀喜氏(49=ヤンキースなど)を抜いて日本選手最多の通算176号を記録した。エンゼルスのコーチ時代に松井氏と同じユニホームを着て、現在は大谷所属のド軍でGM特別補佐を務めるロン・レネキー氏(67)が本紙の独占取材に応じ、2人の違いなどを明かした。(取材・柳原 直之)

 ——大谷はメジャー7年目で松井氏の本塁打数を超えた

 「2人には違いがあります。松井はヤンキースに入団。ヤンキースタジアムでは勝つことへのプレッシャーがとても大きい。勝たなければならない。本当にいい打線で、いいチームでプレーしていました。その状況は(ド軍に移籍した)今の翔平と同じだと思います」

 ——ともに人気球団でファンは勝利を期待

 「単に地区優勝するだけでなく、プレーオフを勝ち進むことが期待されている。だから最初の数年間は2人はちょっと違っていたと思います。翔平にも(昨季まで所属していたエンゼルスで)プレッシャーがあったと思いますが、ニューヨークは違う。ニューヨークの人たちは多くを期待するし、プレーがうまくいかないときは厳しい」

 ——大谷を過去の偉大な打者と比較すると?例えばバリー・ボンズなど

 「ボンズは素晴らしいスイングで、本塁打も打つし、打率も・350〜・360。この国にこれまでにいた中で最高の打者です。そこは疑う余地はありません。最初の10年間はアルバート・プホルスも良かった」

 ——いずれも大打者

 「そして昔の時代には、ジョー・ディマジオやベーブ・ルースのような選手がいました。でも、翔平は先日もゴロの打球速度が106マイル(約171キロ)だった。通常、ゴロは95マイル(約153キロ)ぐらい。だから、そこは違う。あんなにいつもいつも強くスイングする打者を他に知らない」

 ——大谷のパワーはやはり凄い

 「他の打者も思い浮かべているけど、翔平は違う。身体が大きく、強靭。パワーはいわば、速さと筋力です。翔平にはそれが他の誰よりもある。あんな選手は他に知りません。マイク・トラウトはそのようなタイプですが、もう少し小さいバージョンです」

 ——そんな大谷はあまりフィールドでは練習をしない。

 「そう。室内で、自分のルールに従ってやっていますね。ハードワーカーで毎日、決まったことを一生懸命やっている。でも何らかの理由で、フィールドで打つことが嫌いな人がたくさんいますね。ここ(フィールド)にいると、時々ホームランを打ちたくなる。でも、それがスイングにいいとは思わない。ケージではホームランは狙えないからね」

 ◇ロン・レネキー 1956年8月19日生まれ、米カリフォルニア州出身の67歳。1977年のドラフトでカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)がドジャースに1巡目(全体17番目)で指名されて入団。両打ちの外野手として計6球団でプレーし88年に現役引退。メジャー通算成績は527試合で打率・238、17本塁打、113打点、24盗塁。引退後はド軍、エンゼルスでコーチを務め、11年からブルワーズ監督。20年にレッドソックス監督を務め、21年から現職。

スポーツニッポン

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