ドイツメディアのプレッシャーは「ミックのためにならなかった」とハースF1代表。扱いに関する批判にも皮肉

2023年4月24日(月)15時3分 AUTOSPORT web

 ハースF1のギュンター・シュタイナー代表は、メルセデスF1のトト・ウォルフ代表がハースによるミック・シューマッハーの扱いについて批判したことについて、皮肉交じりの反応を示した。


 シューマッハーは昨年末にハースから放出され、経験豊富なニコ・ヒュルケンベルグが後任となった。これはF1で不振の2年目を過ごしていたシューマッハーが、サウジアラビアとモナコで2回の大クラッシュを起こしたことがきっかけだった。

2022年F1第7戦モナコGP プールサイドシケインでクラッシュしたミック・シューマッハー(ハース)


 それでも24歳のシューマッハーは今年、メルセデスでリザーブドライバーに起用された。ウォルフは先月初めにメルボルンで、ハースで2年間を過ごしたシューマッハーのそばに伝説的な父親がいたら、ハースは「彼のことをあえてあのように扱うことはなかっただろう」と語った。


『Sky Sports』のインタビューで、シュタイナーはウォルフの批判に答えた。


「私が言わなければならないのは、もし私の父がそばにいたら、トトは彼が言ったことを言わなかっただろうということだ」とシュタイナーは冗談めかして語った。


「こうしたことに対処するのは簡単ではなかった。彼の持つ姓のせいで外部から大きなプレッシャーがあった」


「そして明らかなことは、彼が大きなクラッシュを起こしたことだ。大きなダメージがあったため、チームにとっても対応は非常に難しかった。そうなるとふたたび予算をあらゆることに集中させる必要がある。今では予算制限があるからパフォーマンスに投資しなければならない」


「簡単なことではなかった。しかしレースというものは簡単ではないし、F1に参戦するのは若手にとって非常に大変なことだ。誰もがF1にふさわしいわけではない。パフォーマンスを発揮する必要があるのだ」

2023年F1バーレーンテスト1日目 ミック・シューマッハー&トト・ウォルフ代表(メルセデス)


 シュタイナーが最近出版した著書『Surviving to Drive』には、ハースのチーム代表であり、Netflixで人気が出たスターである彼が、F1での1年間を記録している。シュタイナーは、シューマッハーの扱いについてドイツメディアが批判したことが、シューマッハーのパフォーマンスの重荷となった理由を説明している。


「彼らはミックを留まらせるためにプレッシャーをかけ、チーム全体のせいにしようとしたが、それはミックのためになることではなかったと思う。結局のところ、彼らは積極的に我々を分断しようとしたわけではなかったが、実際にはそうなった。私についての報道を見聞きした彼はいい気分にはならなかったと思うし、私も彼らにいい気はしなかった」


「最後には彼らは我々を分裂させようとした。これはミックにとっていいことではない。たとえ彼らがそうしようとしても、結局マシンを誰がドライブするか決めるのはチームであり、ドライバーがどのマシンをドライブするか決めるわけではないからだ」


「ドライバーのことでチームを怒らせても何の意味もない。『ギュンターはミックのことを十分に気にかけなかった。これが僕のやり方だ』と言いたいだけだからだ」

2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP ミック・シューマッハー(ハース)


 またシュタイナーは、チームとドライバーの責任を明確に説明した。


「結局、彼はポイントを獲得した。『それはギュンターがミックの世話をしたからだ』とは誰も言わない。誰もそんなことを言いには来なかったし、私も期待していない。また、彼がクラッシュしたからといって私が非難されるとも思わない。ドライバーは自分でポイントを獲得し、クラッシュをしないようにしなければならない」


「チームの責任は、できる限り最高のマシンをドライバーに用意することで、我々は常にそうしていた。そしてふたりのドライバーを公平に扱い、彼らが同じレベルのマシンを持つように常に取り計らった」


「そしてそうできなかった時は、我々は説明した。たとえばアップグレードの場合、パーツがひとつしか用意できずそれを共有すると説明した。そうしたことについて我々は非常にオープンだ。何かを隠したり、ドライバーのどちらかが有利になるようなことはしない。なぜならそれが私の人生の主義だからだ。最大限のものを得るためには、人々を公平に扱う必要がある」


「結局、ドライバーが最高のパフォーマンスを発揮するのを望んでいるのは誰だろう? それは私とチームだ。それなのになぜ自分たちのドライバーを私が妨害しようとするのだろう?」


「結局これはチーム代表の人生の一部だ。自分のやっていることを気に入らない人々はいるものだ。誰かが私のやり方を気に入らないとしても、私はそれほど気にしない。言ってみれば、何も関係がない。私は変わらない。チームと関係のない誰かのために自分が変わる必要を感じないからだ」

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