阪神・小幡 今季2度目先発で逆襲マルチ ライバル・木浪の前で初適時打&逆転演出「点に絡んで良かった」

2024年4月28日(日)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神5−4ヤクルト(2024年4月27日 甲子園)

 食らいついた打球は、チャンスを逃すまいという気持ちの表れか。2点を追う2回2死一、二塁。6日の同戦(神宮)以来、今季2度目の先発出場を果たした阪神・小幡が適時打を放った。サイスニードに追い込まれ、見逃せばボールという低めのフォークを、うまく合わせて中前へ運んだ。

 「(前打者の坂本)誠志郎さんも粘ってつないでくれたし、結果的に点に絡んで良かったなと思います」

 序盤で劣勢に立たされたチームを、勢いづけた。先頭の5回にも起点の一打となる中前打を放ち、この回3得点を演出した。代打出場した前日26日の同戦から3打席連続安打は、前夜3失策で先発を外れた木浪への無言のメッセージ。岡田監督の「木浪は打つ方も調子が良くないので、ちょうどいい機会という感じで使った」という期待に応えた。

 「頑張りすぎて空回りしないことを意識しました。まあ、緊張していましたけど」

 身長1メートル84、76キロの体は細身に見えて、かなり頑丈だ。昨季、練習の虫のため、控え中心の生活でも自然と体に疲労が蓄積した。状態を心配したトレーナーにたびたび治療をうながされながら、マッサージを1度たりとも受けなかった。「くすぐったいし、試合にそんなに出てないので」という謙遜は、あくまで照れ隠し。強い信念が胸の中にある。

 「人にはなるべく頼りたくないです。自分でできることは自分でやりたい」

 マッサージガンと呼ばれる体をほぐす治療器を使い、毎日、自室でコンディションを整えた。根底には、疲れた姿を周囲に見せたくないというプライドもあった。この日、安打のたびにベンチで喜ぶ木浪の姿を視界に捉えたものの、「(会話は)特にないです」と関係性の一端をにじませた。優しい先輩であってもライバル。昨年は開幕遊撃手をつかみながら、その座を奪われた。今年も2番手に甘んじるつもりはない。(倉世古 洋平)

スポーツニッポン

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