大接戦制しポール獲得のトヨタ小林可夢偉「いきなりのアタックで、準備万端ではなかった」/WEC第3戦予選

2023年4月29日(土)8時2分 AUTOSPORT web

 4月28日(金)、ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットで行われたWEC世界耐久選手権第3戦の予選で、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の7号車GR010ハイブリッドを駆る小林可夢偉がポールポジションを獲得した。


 2分00秒812をマークした可夢偉は、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスとともにドライブする7号車陣営にとって、貴重な選手権ポイントを加えた。2番手の50号車フェラーリ499Pに対しては、0.024秒という僅差でのポール獲得となった。


■コールドタイヤで8号車ハートレーがクラッシュ


 セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮の8号車GR010ハイブリッドはハートレーがアタックを担当。しかしピットアウト直後にタイヤバリアへとヒットしてしまい、ノータイムに終わった。ハートレーは無事だったが、決勝レースはハイパーカークラスの最後尾、13番グリッドからのスタートとなる。


 他クラスのアクシデントにより10分遅れで始まったハイパーカークラスの予選。セッションが始まってまもなく、8号車のハートレーは低速で慎重に走り始めたが、ピットロード出口から数百メートル走ったところでタイヤのグリップを失い、オー・ルージュを駆け上った先のラディヨンでコースオフし、タイヤバリアにヒットしてしまう。


 今季よりタイヤウォーマーであらかじめタイヤを暖めておくことが禁止となったこと、また、低い路面温度の影響も重なってタイヤグリップが非常に低い状況となり、コースオフを喫してしまった。




 7号車の可夢偉は、タイヤが充分に暖まると、アタック3周目でその時点でのトップタイムをマーク。ポールポジションには充分なタイムだと判断した可夢偉はピットへマシンを戻したが、その後、アタックを続けていた51号車フェラーリがチェッカー直前に0.035秒上回って最速に。しかしセッション終了後、51号車のタイムは走路外走行のペナルティにより抹消され、7号車の正式なポールポジション獲得が決定された。

2023年WEC第3戦スパ予選、ポールポジションを獲得した7号車トヨタGR010ハイブリッド


 3マニュファクチャラーが分け合った予選トップ4のタイム差はわずかに0.231秒。さらなる接近戦が予想される6時間の決勝レースは、29日土曜日の現地時間12時45分(日本時間19時45分)にスタートする。


 予選を担当したふたりのTGRドライバーのコメントは、以下のとおり。


■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)


「フェラーリにタイムを更新されたと思っていたので、最終的にポールポジションとなって少し驚いていますが、ポールを獲得できたのはとてもうれしいです。チームが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、我々のGR010ハイブリッドは最高の仕上がりでした」


「個人的に、練習走行では新品タイヤでの走行ができず、予選でいきなりのアタックだったので、準備万端だったというわけではありませんでした」


「私が最初のアタックラップに入ろうとしたところでフェラーリのスピンがあり、一旦仕切り直しになってしまったので、タイヤはベストコンディションではなかったですが、その後のアタックラップでは、幸運にも他の車両に引っかかることもなく、良いアタックでポールポジションには充分なタイムを出せた手応えがありました」


「フェラーリとの僅差のポール争いとなりましたが、我々は最終的にポールポジションを獲得し、決勝レースは最高の位置からスタートできます。明日もとても激しい戦いになると思いますが、トップを守りきりたいと思います。




■ブレンドン・ハートレー(8号車)


「本当に残念だ。ピットを出た直後でタイヤが冷えており、オー・ルージュ頂上の第3コーナーで壁に当たってしまった」


「壁へ当たった時の衝撃は大して大きくはなかったですが、タイムを出す前に予選を終えることになり、決勝レースは最後尾グリッドと、厳しいポジションからスタートすることになってしまった」


「明日は全力で追い上げるつもだが、戦いは厳しくなるでだろう。7号車のポールポジション獲得は素晴らしいし、祝福したい」

アタック前にまさかのスピン、クラッシュを喫した8号車のブレンドン・ハートレー

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