井上尚弥は「深刻な相手」 悪童の母国でも強まる“怪物の断然優位”の声「ネリがイノウエをKOするとは思えない」

2024年5月2日(木)18時0分 ココカラネクスト

井上との決戦が迫るネリ。だが、彼に対する下馬評はシビアだ。(C)Getty Images

 軽量級においては「異例」とも言うべき、歴史的な試合のゴングまで残り4日。5月6日に東京ドームで行なわれるスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥と、挑戦者である元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)のタイトルマッチに対する関心が強まっている。

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 文字通りヒストリカルな価値を持つ一戦だ。なにせ東京ドームを舞台にボクシングの世界戦が行われるのは、1990年2月11日にマイク・タイソンとジェームス・ダグラス(ともに米国)がヘビー級王座戦を繰り広げて以来、34年ぶりの出来事。そんな一大興行のメインマッチを日本人チャンピオンが張るというのだから、興味を抱かずにはいられない。

 もっとも、現時点での下馬評は井上優位の声が圧倒的に占めている。26戦負けなしという「無敗伝説」を作り上げてきた“モンスター”は、この試合でもやはり力強さを見せつけるという声は尽きない。

 井上有利の声は、対峙するネリの母国でも強まっている。メキシコ紙『El Independiente』は「日本人たちから無罪放免とされたネリは、メキシコのボクシングが依然として世界の頂点にあることを明確にするため、偉大なスターと対戦する」と試合に向けたリポートを掲載。そのなかで、来るビッグマッチが29歳のメキシカンにとって、いかに難しいものなのかを強調している。

「過去に日本で2戦2勝と負けなしのパンテーラ(スペイン語で豹の意。ネリの愛称)は、イノウエとの試合に向けても『ティファナから来て負けるつもりはない。日本で試合をする方が、気持ちが落ち着く。なぜなら、ここには友人がいないから』と語り、自信を見せている。だが、彼と対峙する日本人は26戦全勝し、うち23戦はKOで決めている。イノウエは間違いなくネリにとって深刻な相手となる」

 また、同国のボクシング連盟の会長を務めていたフアン・カルロス・ペラヨ氏は、母国のポッドキャスト番組『Un Round Mas』で「ネリが日本のボクシング界にとってどういう存在なのかを考えても興味深い試合だ」と、山中慎介氏との因縁を回顧。そのうえで、「俺はイノウエがネリにとって手強すぎる相手だと思っている。今の彼は世界ナンバーワンだ。ネリがイノウエをノックアウトするとは思えない。ムラがありすぎるんだ」と母国戦士の苦闘を予測している。

 去る4月21日に来日し、コンディション調整に努めているネリ。周囲からの声は厳しいが、果たして、どのようなパフォーマンスを披露するだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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