「私は実現させる」井上尚弥vsデービスの電撃対戦をサウジ長官が宣言 怪物の世界進出に自信「イノウエを日本だけで戦わせない」

2024年5月17日(金)12時2分 ココカラネクスト

井上とデービスはかねてから対戦が囁かれてきたが、そこには小さくない“壁”がある。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 札束攻勢で文字通りの“ドリームマッチ”を実現させる。サウジアラビアの王族も、日本が生んだ“モンスター”の存在に興味津々だ。

 サウジアラビアの娯楽庁の長官で、オイルマネーによる支援を後ろ盾に数々のビッグマッチを誘致しているトゥルキ・アラルシク氏が、現地時間5月16日に米の格闘技専門メディア『MMA Hour』のインタビューに登場。そこでボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者である井上尚弥(大橋)と、WBA世界ライト級王者のガーボンタ・デービス(米国)の対戦を「実現させられる」と宣言した。

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 かねてからファンや一部の識者の間で語られてきた“黄金カード”ではある。2階級での4団体統一という偉業を成し遂げた井上と、29戦無敗27KOという頭抜けた戦績を誇るデービスの対戦は軽量階級ではまさにビッグマッチだ。彼らが拳を交わせば、国内外に特大のインパクトを残せるのは間違いない。

 これまでもサウジでメガ興行を開催させてきたアラルシク氏は、こう言及している。

「もしも、デービスが賢くなれるのであれば、やりたいのはナオヤ・イノウエとの試合だ。これは私が好むドリームファイト。彼らが適正体重で適切な提案をしてくれれば、それを私は実現できる」

 もっとも、懸念材料は少なくない。何より現時点で両雄の体重には決定的な差がある。デービスは61.23キロがリミットとなるライト級で、井上は55.34キロがリミットのス—パーバンタム級。階級差にして3も違いがあるのだ。

 この点については、デービスも過去に言及しており、英専門メディア『Boxing News』で「俺が130パウンド(58.97キロ、スーパーフェザー級)まで下げられて、イノウエも少し上げられれば、あり得ないこともない」としていた。

 デービスにとっての減量、そして井上にとっての3階級分の増量は、決して簡単な所業ではない。これこそ階級制スポーツの難しさである。

 ただ、互いに歩み寄る形でのキャッチウェイトで実現させようと動くアラルシク氏は「イノウエは素晴らしいファイターだ」と断言する。一方で、こう注文をつけてもいる。

「重要なことがある。それはイノウエを日本国内だけで戦わせ続けないよう、世界に彼を見せなければならない。彼を我々のところに来させ、サウジアラビア、米国、ロンドンで試合をさせるようにする。我々はそのための話し合いをする準備ができている。もしも、彼が数年後に引退をするとして、その試合の99%が日本で行われたようなことにでもなれば残念なことだ」

 以前から井上の本格的な国外進出については各所で議論されてきた。これについては当人が「試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く」とXで発信するなど、日本開催にこだわる意味は示されている。

 とはいえ、オイルマネーを背景にした莫大な収入が手に入るとなれば、話は変わってくるかもしれない。サウジアラビアが主催の興行となれば、大橋秀行会長が「倍ではきかない」と目を丸くする金額に達し、それこそ井上の望む評価を得られる可能性もある。

 それでも何よりも自身のベストを出すことにこだわってきている井上が、サウジの王族側の言う「適正体重」に応じるかは不透明だ。アラルシク氏は「実現できる」と意気込むが、やはり現時点でデービス戦は“ドリームマッチ”の域を出ないと言えそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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