インディアナポリスでの将来のレース開催に向け、WECとペンスキーが予備会談を実施

2022年5月10日(火)11時59分 AUTOSPORT web

 ロジャー・ペンスキーとWEC世界耐久選手権は、インディアナポリス・モータースポーツ・スピードウェイ(IMS)でのスポーツカーレース開催の可能性について、予備的な話し合いを行った。


 IMSのオーナーであるペンスキーとWECのフレデリック・ルキアンCEOは先週末、WEC第2戦の舞台となったスパ・フランコルシャンを訪れ、将来のレース開催が確定したわけではないものの、初期段階の協議が行われたことを認めた。


 WECは、新型コロナウイルスの大流行が影響する世界的なロジスティクス上の課題の中で、2023年のカレンダーに対して保守的なアプローチをとっており、スケジュールの大幅な調整には慎重な姿勢を見せている。


 しかし両者は、今後数年のうちにインディアナポリスで開催されるイベントが創設される可能性を探ることに関心を示している。


 ペンスキーは記者団に対し、インディアナポリスで複数クラスの耐久レースを設立したいとの長年の立場を改めて表明し、「私のリストの一番上に鎮座している」と述べた。


 IMSでは過去2年間、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの8時間レースがロードコースで開催しているが、ペンスキーはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権かWECを自分の領域に置きたいと考えており、新世代のLMDhとLMH(ル・マン・ハイパーカー)プロトタイプが同地を走ることを熱望している。


「2023年に一緒になるこのグループがインディに来ることができれば、私たちはふたつの異なるコースを用意することができる。それは素晴らしいことだろう」とペンスキーは語った。


「そして我々はいま、素晴らしいことに、それについて議論しているところだ」


「フレデリック(・ルキアンCEO)と話をして、興味があることを伝えた。IMSAについても将来的な話をしている。いずれにせよ、このスポーツにとって同じような利益をもたらすことを期待している」


「私たちは素晴らしい場所を持っているし、そこは素晴らしいスポットだ。(インディ500のことを指し)30日も経たないうちに、1日でスーパーボール4回分の観客が集まることになるんだ」。


 インディアナポリスでのIMSAレースの話題は以前にも出たことがあるが、WECが含まれるのは今回が初めてだ。

IMSでは2022年もIGTCインディアナポリス8時間レースが開催される


■IMSAとWECはともに将来的な可能性を否定せず


 IMSAのジョン・ドゥーナン代表は先月、ウェザーテック・スポーツカー選手権が2023年のスケジュールに、IMSAミシュラン・エンデュランスカップ(IMEC)のラウンドを追加する予定はないと述べている。


 一方、ペンスキーは、インディアナポリスでのスポーツカーレースは耐久レースでなければならないと主張している。


 ドゥーナンは、「チーム予算に配慮しなければならないため、今のところ(IMSがカレンダーに加わる予定)はない」と、ロングディスタンスレースが新たに追加される可能性についてSportscar365に語った。


「あらゆる選択肢を検討している。いつものように、パートナーやチームにとって最も価値のある会場を探しているんだ。私たちのレーダーには、選ばれた会場のグループがある」


「ペンスキー氏は、私たちに来てほしいということを明確にしている。しかし我々はIMSだけでなく、他のいくつかのサーキットともつねにレースの可能性について話をしているんだ」


 ペンスキーは、インディアナポリスがアメリカでの耐久レースの「完璧な場所」であると宣伝しており、彼のペンスキー・コーポレーション・グループは2019年末近くにこの有名な施設を購入した。


「我々はチームが受ける経済的影響は何か、スケジュールはどうなっているのかを見なければならない」とペンスキーは述べた。「インディアナポリスに関しては、我々の腕は大きく開かれている」


「私たちはこの国の真ん中にいる。東からも西からも訪れやすい完璧なロケーションだ。いずれわかるだろう」。


 ルキアンは、ペンスキーが事前協議を行ったという話を裏付ける一方で、WECが現段階で積極的にインディアナポリスでのレースを計画しているわけではないことを強調した。


「アメリカは我々にとって非常に重要なマーケットだ」と同氏は語った。


「その機会を排除するのは愚かなことだ。私はロジャー(・ペンスキー)を尊敬しているし、彼が言ったことは本当に正しいと思っている」。


「何度か話し合いはしているが、現時点ではその計画ない」


「答えるのはとても難しい。もし、私が『そう、このアイデアに真剣だ』と言えば、誰もがそれを計画として理解するだろう。いまのところそれは計画ではない。しかし、耳を傾けないのは愚かなことだ」


「もしもチャンピオンシップを延長することなったときに、アメリカで第2のレースを開催してはどうだろう? となったとすれば、この機会を得ることができる。近い将来、それが起きないとも限らない」


 WECはすでにセブリング・インターナショナル・レースウェイでアメリカラウンドを開催しており、1000マイルレースはIMSAモービル1・セブリング12時間レースと週末をともにしている。


 WECのアメリカラウンドを2回開催する余地があるかどうかという質問に対し、ペンスキーは「ダメな理由がわからない」と答えた。同じ質問を投げかけられたルキアンは、「なぜダメなんだ、将来的には」と述べている。

ポール・トゥ・ウインで開幕戦ウイナーとなった36号車アルピーヌA480・ギブソン  2022WEC第1戦セブリング1000マイルのスタートシーン

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