開幕前エキシビジョンを制していたジョーイ・ロガーノが「謝罪無用」の今季初勝利/NASCAR第12戦

2022年5月11日(水)16時15分 AUTOSPORT web

 アメリカ・サウスカロライナ州に位置するダーリントン・レースウェイで争われたNASCARカップシリーズ第12戦『Goodyear 400』は、開幕前に実施される伝統のエキシビジョン戦“Clash”こと『Busch Light Clash at the Coliseum』を制覇していたジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が、ポールポジション獲得から今季公式戦初勝利。レース後には、ホワイトフラッグ直前の攻防でプッシングされ、敢えなく今季3勝目を逃したウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)との“舌戦”も繰り広げられた。


 長い歴史を誇るダーリントンの地で、好調な週末の滑り出しを見せたロガーノは、日曜決勝でもスピードを維持して、今季“台風の目”ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)や前戦ポールシッターのクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)らを従え、順調にステージ1を制覇する。


 しかし、ここから実力者たちを次々と波乱が遅い、114周目にはフロントロウ発進だったディフェンディングチャンピオンのカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)がエンジントラブルでリタイア。167周目にはブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)にヒットされたカイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)がクラッシュアウトする事態に。


 さらにステージ2を制していたチャスティンも、196周目のリスタート後にデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)の内側でルーズとなり、ここでレースを終えることとなった。


「僕らは1日中、実はクルマのバランスと戦い続けていた。それでも僕らはリードを争っていたし、ターン2ボトムの(新舗装による)パッチでそのラインを走れると踏んだんだ。でも繋ぎ目でグリップが変化し、あとは何もできなかったよ……」


 そのターン2では261周目にも“ビッグワン”が発生し、2列目インサイドでリスタートを切っていたマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が勢いを失い、リッキー・ステンハウスJr.(JTGドアティ・レーシング/シボレー・カマロ)とケビン・ハーヴィック(スチュワート-ハース・レーシング/フォード・マスタング)の間を滑走。


 ここでステンハウスJr.のマシンとわずかにヒットした19号車カムリは、サイドウェイのままバンクを横切り、カート・ブッシュやダレル“バッバ”ウォレスJr.の23XIレーシング・トヨタや、デニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)らを皮切りに、ライアン・ブレイニー(スチュワート-ハース・レーシング/フォード・マスタング)とコール・カスターにチェイス・ブリスコのスチュワート-ハース勢、さらにエリック・ジョーンズ(ペティーGMSモータースポーツ/シボレー・カマロ)、チェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)らも巻き込まれてしまう。

カート・ブッシュやダレル“バッバ”ウォレスJr.の23XIレーシング・トヨタは、今回もアクシデントの巻き添えに……
ポールウイナーとなったジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が、順当にステージ1を制覇する
一方で、フロントロウ発進だったカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)はエンジントラブルでリタイヤに
参戦36台のうち、フィニッシュまでに13台が戦列を去るサバイバル戦となった“Lady in Black”ことダーリントン


■「彼の攻撃的操作は明らかに一線を超えていた」と憤慨のバイロン


 これで268周目のリスタートで優勝戦線にカムバックしたのがロガーノとバイロンで、インサイドに並んだバイロンが先行して最終局面に向かう展開となる。


 残り2周の時点でバンパー・トゥ・バンパーの状態でターン3に入った2番手ロガーノは「当然、勝利に向けゲームは始まっている」として首位バイロンのトウを効かせてプッシング。これでバランスを崩したシボレーの24号車はアウトサイドのウォールにヒットし、ダメージを負って失速することに……。


 最終的にバイロンは13位まで後退してのフィニッシュとなり、ロガーノはタイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)を0.77秒差で抑えてキャリア通算28勝目、新車両規定“Next-Gen”での公式戦初優勝を手にした。


「そうさ、仮に相手が僕を壁に押しやっても、彼らは何も得ることはないだろうね! 僕らは皆平等だ。先にそうしたのは彼(バイロン)だし、僕は勝利を取り戻すためにすべきことをしただけ。ここ“Lady in Black”でのカップ戦に勝ったことはなかったし、本当にクルーを誇りに思う。彼は同じことをしてそれを失い、僕は手に入れた。それだけさ」と語った勝者ロガーノ。


 一方、憤慨のバイロンは「彼の攻撃的操作は明らかに一線を超えていた」と主張し、怒りを露わにした。


「(リスタートの)ターン2ではお互いにすごく接近していたし、それが彼(ロガーノ)を驚かせ、タイトにしたと思う。彼は壁に向かい、僕がリードを奪った。でもその後、彼は時速10マイル(約16km/h)以上の速度差で僕を押しやり、このNext-Gensカーで激しくヒットしてきた」と状況を説明するバイロン。


「ヤツは本物のバカだ。僕はなす術なくウォールにヒットし、車体右側に損傷を負った。彼はレースに勝つことができないから、そんなドライビングでしか勝負できないんだろう。本当に意味がわからないよ……」


 併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第11戦は、JRモータースポーツから参戦するジャスティン・オルゲイアー(シボレー・カマロ)が、昨季の同地以来となる34戦ぶりの勝利を飾り、ダーリントン連覇を達成。一方のキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第7戦は、ポールウイナーのジョン-ハンター・ネメチェク(カイル・ブッシュ・モータースポーツ/トヨタ・タンドラTRD Pro)が混戦の展開を制して今季初優勝を飾る結果に。


 トヨタ陣営で2台体制を敷く服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライズは、タイラー・アンクラムの16号車がシングルフィニッシュの8位、チェイス・パーディの61号車は終盤のクラッシュに巻き込まれ、レースを終えている。

優勝争いの渦中でプッシングを受け、ボディ右サイドを損傷したウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)の24号車
怒り心頭のバイロンは、レース後にも殿堂入りのジェフ・ゴードンからなだめられる場面も
NASCARエクスフィニティ・シリーズ第11戦は、JRモータースポーツから参戦するジャスティン・オルゲイアー(シボレー・カマロ)が同地連覇を達成
キャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第7戦は、ポールウイナーのジョン-ハンター・ネメチェク(カイル・ブッシュ・モータースポーツ/トヨタ・タンドラTRD Pro)が勝利を飾った

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