フェラーリが車検落ち、車両規定違反によりポールポジションを失う。佐藤万璃音組マクラーレンもタイム抹消

　フェラーリAFコルセの50号車フェラーリ499Pは、5月10日（金）にスパ・フランコルシャンで行われた予選後に重量不足が判明したため、WEC世界耐久選手権第3戦『スパ・フランコルシャン6時間レース』のポールポジションを剥奪された。

　アントニオ・フォコは、ニクラス・ニールセン、ミゲル・モリーナとシェアするフェラーリ499Pのステアリングを握り、ハイパーポールで2分2秒600というタイムをマーク。マット・キャンベルのドライブで2番手タイムを記録した5号車ポルシェ963（ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ）に0.507秒差をつけて2戦連続のポールポジションを獲得していた。

　ところが、金曜日の夕方に発表されたスチュワードの報告書によると、予選で最速タイムを記録したフェラーリのマシンは規定最低重量を満たしていなかったことが判明した。この結果を受けてフェラーリは声明を発表し、50号車は約1kgの重量不足が見つかり、その原因は金曜午前のプラクティス3で他車と接触した際にリヤエンドのコンポーネントを交換したことにあるという。

　50号車に対するペナルティは予選失格で、ハイパーポールと予選1回目の両方でフォコが記録したラップタイムはすべて削除される。同裁定の結果、フォコ／モリーナ／ニールセン組のフェラーリ499Pは19台のハイパーカー勢の最後尾から土曜日のレースをスタートすることになる。

　一方、キャンベル／フレデリック・マコウィッキィ／ミカエル・クリステンセン組の5号車ポルシェは、順位が繰り上がることで今戦のポールシッターとなり、3番手タイムを記録していたアレックス・リン／アール・バンバー組の2号車キャデラックVシリーズ.R（キャデラック・レーシング）がフロントロウ2番手から決勝レースをスタートすることとなった。

　なお、5号車ポルシェ963がグリッドの最前列を獲得したことで、ペンスキー・モータースポーツはスポーツカーレースで通算100回目のポールポジションを獲得している。

■ユナイテッド・オートスポーツ、ふたつのミスでフロントロウを失う

　ジョシュ・ケイギルとニコ・ピノ、そして日本人ドライバーの佐藤万璃音が乗り込むユナイテッド・オートスポーツの95号車マクラーレン720S GT3エボも、フェラーリと同様の違反で予選失格となりLMGT3の2番手グリッドを失った。

　ブロンズドライバーであるケイギルは95号車マクラーレンで2分21秒092というタイムを記録し、クラスポールシッターのサラ・ボビーに次ぐフロントロウに導いたが、予選後のチェックで重量不足だけでなく、重量配分にも誤りがあることが判明。

　そのため同車の予選およびハイパーポールで記録された両方のタイムが抹消され、37台が並ぶグリッドの最後尾から6時間レースを開始することが決まった。

　Sportscar365に提供されたユナイテッド・オートスポーツの声明の中で、チームは95号車は「意図せず重量規定に適合しなかった」と記している。

「我々はFIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブの調査結果を受け入れ、完全に調査する」と付け加えた。

　59号車が2番手グリッドを剥奪された結果、バレンティーノ・ロッシ／マキシム・マルタン／アハマド・アル・ハーティ組の46号車BMW M4 GT3（チームWRT）がフロントロウに昇格し、ヤセル・シャヒン／モリス・シューリング／リヒャルト・リエツ組の91号車ポルシェ911 GT3 R（マンタイEMA）が繰り上がりでクラス3番手のポジションを得ている。

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