350ヤード級の飛距離も見せた! 中島啓太&蝉川泰果世代の “飛距離モンスター”が4位タイで次戦切符獲得

2024年5月12日(日)16時53分 ALBA Net

新村駿は自慢の飛ばしも披露し4位フィニッシュ。次戦にチャンスをつなげた(撮影:佐々木啓)

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<FOR THE PLAYERS BY THE PLAYERS 最終日◇12日◇THE CLUB GOLF VILLAGE
(群馬県)◇7172ヤード・パー71>

新たな“飛距離モンスター”が存在感を示した。プロ3年目、23歳・新村駿の平均飛距離は310ヤード以上。その武器を生かしたゴルフで12位タイから出た最終日に7バーディ・2ボギーで12ポイントを獲得し、首位と5ポイント差の4位タイに入った。昨年のQTは3次で敗退し、今季の出場権を持たないが推薦で出場したレギュラーツアー3試合目で初めて予選を通過し、次戦「関西オープン」の出場権を手にした。


自身初めての決勝ラウンド。同組は堀川未来夢、片岡尚之と優勝経験を持つツアーの人気者である。「組み合わせにも恵まれて、すごくギャラリーさんが多くて朝は緊張しました」と張りつめるものがあったが、朝イチからバーディを奪って緊張がほぐれた。

前半は2つある“得意”のパー5がパーに終わったが、パッティングが冴えて5バーディ。リーダーボードを駆け上がり、首位に肉薄した。最終18番では「すごく深いところの左足上がり」のライから打った2打目がグリーン手前の池につかまったが、「どうしても入れたかった」という3メートルのボギーパットをねじ込んで4位タイに踏みとどまった。

レギュラーツアー3試合目だが「新村は飛ぶ」と言われる、知る人ぞ知る飛ばし屋だ。大学時代の日課のトレーニングは「下までゆっくり下りる懸垂」。30回は行い強靭な背筋は服の上からでもわかるほど。ヘッドスピードは通常は54ⅿ/Sで、振れば55〜56ⅿ/Sをマークする。現在のドライバーの飛距離は「キャリーは300〜305ヤード」だが「試合になるともっと飛びます」と話す。325ヤードに設定された今大会の1番ホールはドライバーを握ればグリーン横まで運べる。この日は12番パー5で350ヤード級の飛びも見せた。同組の片岡が「すごい飛距離っす。初速が速い」と目を丸くしたほどだ。

中島啓太、蝉川泰果らと同じ2000年生まれの新村は、日大4年時に腰椎分離症で一時は思うようにゴルフができなくなった。1カ月ほどクラブを置いて休養に当てたが、「ダメ元」で出た2次QTを3位で通過すると、続く3次QTも1位でクリアした。だが腰の状態も快方に向かっていた12月に行われたファイナルQTでは、「すごく寒くて」と腰の痛みが再発。2ラウンドを終えたところで棄権を余儀なくされた。

23年は下部のAbemaツアーを転戦していたが、秋ごろに再び別の個所の腰椎分離症が発症。その影響もありQTは3次で敗退した。今季はレギュラーツアーどころか下部ツアーの出場権も手にできなかった。だが腰の痛みが癒えた今年は本領発揮。推薦で出場したAbemaツアーは16位タイ、3位タイと徐々に結果を出すと、推薦で出場した今大会も好調を維持して好成績につなげた。

初の予選通過で得た手応えは大きい。以前は「ツアーで優勝したり上位に入るのは、とんでもないぐらいのビッグプレーが出続けないと無理」と想像していた。だが今週上位に入ったことで、考え方にも変化が。「自分の思うようなプレーができれば、それぐらいの位置にいられる。4日間すべてかみ合ったわけではないので…。自分の飛距離だと無理しなければチャンスはある」。余力を残しながら4位に入った経験は自信に変わる。

平均飛距離320ヤード越えでツアー1の飛ばし屋、河本力は1学年上。3年ほど前に大学の試合で回ったことがあるが、「最近は回ったことがないで回ってみたい」と飛距離モンスターの共演も楽しみにする。

次戦は自力で出場権を獲得。「想定してなかったというとあれですけど、まさかと思った。来年ツアーに出た時に自信を持っていけるように、びびらずゴルフをしたい」。もちろん目指すのは初優勝。日の目を見た“飛距離モンスター”が次週は関西で暴れてくれるだろう。(文・小高拓)


<ゴルフ情報ALBA Net>

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