楽天の“サヨナラ職人”渡辺佳 また代打で劇勝呼んだ 職業体験で来場した学生の前で千金犠飛
2025年5月14日(水)5時30分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 楽天4—3ロッテ(2025年5月13日 楽天モバイル)
お立ち台に上がった楽天・渡辺佳は何度も頭を振り、左耳に入った歓喜の水を払った。
同点の9回1死一、三塁。代打で登場し、160キロ超の直球を連発していたゲレーロと対した。「手を離れた瞬間に振ろうと思っていました。それ以上に速かったんで、ビックリしましたけど、良かった」。155キロ直球に振り負けることなく、左翼まで運ぶサヨナラ犠飛。歓喜の輪でもみくちゃにされた。
4月27日のソフトバンク戦でもサヨナラ打を放っており、16日ぶり通算3度目のサヨナラ打で連敗を4で止めた。殊勲の28歳は「持ってますね。しかも両方とも代打なんで」と胸を張ったが、サヨナラ男の襲名には「まだ早いっす。みんながつないでくれたり、頑張って抑えてくれた結果なので」と照れた。
この日は平日のデーゲーム開催で職業体験を含め、宮城県内の小中高生ら31校計6764人が来場。チケットカウンター業務など、さまざまな仕事を体験した。中学生の頃、保育園で職業体験した渡辺佳は「子供を相手にするのって大変だな」と実感。「好きな野球でプロになろう」と思いを強くしたという。
神奈川県出身で、当時は横浜(現DeNA)を応援。石井琢朗、村田修一らがイニング間にスタンドにボールを投げてくれたといい「僕も夢を与えてもらった側。一人でも名前を覚えて帰ってくれたら凄くうれしい」。歓喜の一打は若人たちの心に刻まれたはずだ。(花里 雄太)