広島・中村「奨成」 巨人・戸郷「翔征」打ち砕く1406日ぶり弾 スタメン譲らん5戦連続マルチ安打
2025年5月14日(水)5時45分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 広島5—4巨人(2025年5月13日 マツダ)
会心の一撃だった。広島の「奨成」が、巨人の「翔征」から、4年ぶりのアーチをかけた。
「久しぶりだったので、ちょっと興奮しました。良かったです」
1—0で迎えた2回2死無走者。カウント1—1から、相手先発・戸郷が投じたフォークは、落ちきらずに真ん中付近に来た。甘い球を見逃さず、一振りで仕留めた。打球は歓声に彩られながら、左中間スタンドへ着弾。チームに流れを引き寄せる、大きな今季1号本塁打となった。
「ああいう歓声とか聞いて、久しぶりの一発がマツダで打てたのは、すごく良かった」
21年7月7日DeNA戦(マツダ)以来、1406日ぶりの通算3号本塁打。実は、打った瞬間に本人は「いかないな」と判断し、「ツーベースにはなるかな」と全力疾走していた。その常に先の塁を狙う姿勢が、今季の成績に直結しているのだろう。4—2の6回1死で迎えた第4打席でも右前打を放ち、これで5試合連続マルチ安打もマークした。
新井監督の期待に応えた。この日から右足首痛のため2軍調整していた秋山が1軍に昇格。それでも「1番・中堅」としてスタメンに名を連ねたのは、中村奨だった。その理由を指揮官は「奨成はずっといいものを見せてくれているのでね。そこは奨成で、ということ。チーム内での、いい競争が生まれているのかなと思います」と説明した。
「秋山さんが帰ってこられましたけど、こうやって使ってもらっているうちに、使い続けてもらえるように頑張ります」と中村奨。簡単に、スタメンの座を譲るつもりはない。