岡本欠く巨人、新加入リチャードの1発で打線点火…12回サヨナラ負けも阿部監督「今後も楽しみ」
2025年5月14日(水)6時0分 読売新聞
5回無死、リチャードが移籍第1号ソロを放つ(投手・森)(13日)=大塚直樹撮影
広島5—4巨人(セ・リーグ=13日)——広島が今季2度目のサヨナラ勝ち。十二回、モンテロが決勝の適時打を放った。巨人は八回にキャベッジの2ランで追いついたが、最後に石川が踏ん張れなかった。
巨人はエース戸郷がピリッとせず、序盤から3点を追う展開になった。重苦しい空気を変えたのは、この日チームに合流したばかりのリチャードの一発。トレードで新加入した右打者が「起爆剤になってくれれば」と抜てきした阿部監督の起用に応えると、打線はしぶとく追いつく粘りを見せた。
7番三塁で先発出場。五回の第2打席、3球目の速球を捉えた打球は高々と舞い上がった。「いってくれー、と思いながら走った」。左中間席に飛び込むのを見届け、ベンチで待つ新しい仲間たちと笑顔でハイタッチを交わした。
巨人は延長十二回でサヨナラ負けを喫して競り負けたが、リチャードの3季ぶりとなるアーチは元気のなかった打線を活気づけた。六回の好機も左前打でつなぐと、続く浅野の犠飛で2点目。2点を追う八回にはキャベッジが2ランを放って延長戦に持ち込んだ。
リチャードは2018年に沖縄尚学高から育成ドラフト3位でソフトバンクに入団。右の主砲候補として支配下に昇格したが、34試合で7本塁打を放った21年から徐々に成績を落とした。二軍では昨季まで5年連続で本塁打王を獲得。高い潜在能力を開花させることができず、もがいていた。
巨人入りが決まり、長く目をかけてくれた王貞治・ソフトバンク球団会長に電話で報告すると、「大きなチャンスだから頑張ってきなさい」と励まされた。新天地での活躍こそが、これまで支えてくれた人たちに報いる道だろう。
岡本を負傷で欠く中、25歳の長距離砲にかかる期待は大きい。「いつも継続ができなくて苦しんでいる。毎日(継続)できるようにしたい」とリチャード。真価が問われるのはこれからだ。(浜口真実)
巨人・阿部監督「全員で頑張ったね、きょうは。(リチャードは)いい働きしてくれたし、今後も楽しみ」