アルゼンチンの名門が抱える巨額負債の返済に30歳のインフルエンサーが立ち上がる

2023年5月17日(水)20時11分 サッカーキング

多額の負債を抱えるインデペンディエンテ [写真]=Getty Images

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 元アルゼンチン代表セルヒオ・アグエロなど多くの有名選手たちを輩出したアルゼンチンの名門インデペンディエンテが抱える巨額の負債を返済すべく、若きインフルエンサーが寄付金を集めていると、16日アルゼンチンの『インフォバエ』などが報じている。

 インデペンディエンテは選手、代理人、及び他クラブへの移籍金の未払い金として合計2200万ドル(約30億円)の負債を抱えており、今年1月には、2019年にセシリオ・ドミンゲスを獲得した際の移籍金570万ドル(約7億8000万円)をメキシコのクラブ・アメリカに対して支払っていないとして国際サッカー連盟(FIFA)から選手の補強を禁止され、チームも国内リーグ戦で低迷している。

 そんな状況に、クラブOBのアグエロ氏が「インデペンディエンテは自分のような選手たちを欧州クラブに移籍させ莫大な資金を得たはずなのに、どうしてこうなったんだ」と古巣の現状を嘆き、サポーターはクラブ上層部へ怒りを爆発させる事態となっていた。

 そこに手を差し伸べたのが、30歳のアルゼンチン人インフルエンサーのサンティアゴ・マラテア氏だ。マラテア氏はおもしろ動画が話題となり有名になった後、自らの影響力を人助けに使い始めた。2021年以降、難病を抱えた生後11カ月の子供の医療費として200万ドル(約2億7000万円)もの寄付を集めたり、別の子供がバルセロナで特殊な医療を受けられるよう400万ドル(約5億4000万円)の寄付を集めたりしたことによりアルゼンチンで一目置かれる存在になっていた。

 マラテア氏は熱狂的なサッカーファンでもなければ、インデペンディエンテのサポーターでもなかったが、「アルゼンチンで最も重要なクラブのひとつが沈んでいくのを見過ごすわけにはいかない」として立ち上がったことをインタビューで語っている。そんなマラテア氏にインデペンディエンテの元選手を含め多くの人たちが共感し、驚異的なスピードで多額の寄付が集まっており、同クラブのサポータは「マラテアの導きで、全負債を返済」とチャントを歌うなど一大ムーブメントになっている。

 4月末に受付が開始された寄付金は16日現在約335万ドル(約4億6000万円)まで集まっており、メキシコのクラブ・アメリカへ返済が必要な570万ドルに近付いている。時間が経つにつれ寄付金の集まるスピードが減速されているとも報道されているなか、アルゼンチンの名門が負債を返済できるかは、若きインフルエンサーの手にかかっている。


【動画】インタビューを受けるアルゼンチンの“インフルエンサー”サンティアゴ・マラテア氏と、同氏を支持するインデペンディエンテのサポーターたち

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