2023年TCRジャパンシリーズ開幕。大雨の鈴鹿大会はシビックの猪爪杏奈が連勝飾る
2023年5月18日(木)5時0分 AUTOSPORT web
2019年の初開催から5シーズン目となるTCRジャパンシリーズの2023年シーズンが鈴鹿サーキットで開幕を迎えた。3車種7台が集結するなか、5月13日に行われたサタデーシリーズ、14日に行われたサンデーシリーズともに猪爪杏奈(ホンダ・シビック・TCR/羽衣6 DOME RACING)が勝利を飾った。
■サタデーは猪爪がポール・トゥ・ウイン
13日14時5分より行われた15分間のサタデーシリーズ公式予選では、小雨が降る中、ディフェンディングチャンピオンのHIROBON(クプラTCR/バースレーシングプロジェクト【BRP】)がスリック、猪爪がウエットとタイヤ選択が分かれたなか、猪爪がポールポジションを獲得。
2番手に0.774秒差のHIROBON、3番手に鈴木建自(アウディRS3 LMS/バースレーシングプロジェクト【BRP】)が続いた。
続いて16時35分から行われた23分+1周の決勝レースでは、猪爪がホールショットを守り、HIROBONがそれを追うかたちに。一方、スタートで出遅れた鈴木をかわした加藤正将(アウディRS3 LMS/Audi Team Mars)が3番手に浮上する。
オープニングラップにもっとも勢いを見せたのはHIROBONだった。セクター1から果敢に猪爪を攻め立て、スプーンカーブで猪爪の攻略に成功し、HIROBONがトップで2周目を迎えた。
ただ、2周目の逆バンクでHIROBONがまさかのコースオフ。幸いグラベルからの脱出が叶い、HIROBONはコースに復帰するも、猪爪、加藤に続く3番手にポジションを下げることに。
再びトップに浮上するべくプッシュを続けたHIROBONだったが、5周目の逆バンクで加藤を攻略した時点で猪爪からは5秒以上のギャップが開いていた。
HIROBONは7周目にファステストを更新するペースで猪爪の背中を追うが、レース終盤も大きくギャップを縮めるまでには至らず、2023年初戦は猪爪がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にHIROBON、3位に加藤という結果となった。
・2023年TCRジャパンシリーズ第1戦鈴鹿
サタデーシリーズ決勝正式結果
Pos. | No. | Driver | Machine | Team | Time/Gap |
---|---|---|---|---|---|
1 | 98 | 猪爪杏奈 | ホンダ・シビック・TCR | 羽衣6 DOME RACING | 27’36.040 |
2 | 19 | HIROBON | クプラTCR | バースレーシングプロジェクト【BRP】 | 4.653 |
3 | 65 | 加藤正将 | アウディRS3 LMS | Audi Team Mars | 24.852 |
4 | 17 | 鈴木建自 | アウディRS3 LMS | バースレーシングプロジェクト【BRP】 | 30.239 |
5 | 55 | MOTOTINO | ホンダ・シビック・TCR | 55MOTO RACING | 30.463 |
6 | 69 | 梅本淳一 | ホンダ・シビック・TCR | J’S RACING CIVIC TCR FK7 | 48.790 |
7 | 7 | 玉田誠二 | アウディRS3 LMS | TAMADA Racing | 1Lap |
天候:雨 路面:ウエット
ファステストラップ:
2分29秒144(7/11) 140.168km/h #19 HIROBON(バースレーシングプロジェクト【BRP】)
スタート時刻:16時39分14秒 フィニッシュ時刻17時6分50秒
■サンデーも猪爪とHIROBONが競り合う展開に
翌14日の8時より行われたサンデーシリーズの予選も引き続きウエットコンディションに。このセッションでは全車がウエットタイヤを選択するなか、HIROBONがポールポジションを獲得。2番手に猪爪、そして3番手にMOTOTINO(ホンダ・シビック・TCR/55MOTO RACING)が続いた。
14時39分からスタートしたサンデーシリーズ決勝では、ポールシッターのHIROBONがストール気味となりスタートで出遅れ、猪爪がトップで1コーナーのホールショットを奪う。2番手にMOTOTINO、3番手にHIROBONというオーダーに変わった。
そんななか、玉田誠二(アウディRS3 LMS/TAMADA Racing)のマシンが、1周目スプーンカーブ立ち上がりでコースオフ。グラベルから脱出は叶わず、玉田はマシンを降りてしまう。この玉田のマシンを回収するべくセーフティカー(SC)が導入されることに。その直前、HIROBONは2周目のデグナーカーブでMOTOTINOを攻略しており、4秒以上のリードを築く猪爪を追う展開だった。これで猪爪とHIROBONのギャップはリセットされる。
レースは4周目に再開。HIROBONにとっては早めに猪爪を攻略しておきたい場面だったが、2台のギャップはジリジリと広がる。そのまま10周目を終え、猪爪が2度の王者HIROBONに対し4.7秒のギャップを築き2日連続となるトップチェッカーを受けた。2位HIROBON、そして3位にはMOTOTINOが続いた。
2023年のTCRジャパンシリーズ、次戦となる第2戦は6月10〜11日に岡山国際サーキットで開催される。このまま猪爪が快進撃を続けるのか、それともディフェンディングチャンピオンHIROBONが猪爪の勢いを止めるのか、岡山でも熾烈な戦いが繰り広げられるに違いない。
・2023年TCRジャパンシリーズ第1戦鈴鹿
サンデーシリーズ決勝正式結果
Pos. | No. | Driver | Machine | Team | Time/Gap |
---|---|---|---|---|---|
1 | 98 | 猪爪杏奈 | ホンダ・シビック・TCR | 羽衣6 DOME RACING | 26’18.501 |
2 | 19 | HIROBON | クプラTCR | バースレーシングプロジェクト【BRP】 | 4.714 |
3 | 55 | MOTOTINO | ホンダ・シビック・TCR | 55MOTO RACING | 31.485 |
4 | 65 | 加藤正将 | アウディRS3 LMS | Audi Team Mars | 33.850 |
5 | 17 | 鈴木建自 | アウディRS3 LMS | バースレーシングプロジェクト【BRP】 | 37.794 |
6 | 69 | 梅本淳一 | ホンダ・シビック・TCR | J’S RACING CIVIC TCR FK7 | 43.912 |
– | 7 | 玉田誠二 | アウディRS3 LMS | TAMADA Racing | 9Laps |
天候:雨 路面:ウエット
ファステストラップ:
2分28秒768(6/10) 140.522km/h #98 猪爪杏奈(羽衣6 DOME RACING)
スタート時刻:14時39分14秒 フィニッシュ時刻15時5分32秒
SC導入時刻:14時43分01(1Lap)〜14時48分08秒(3Laps)