【宏太’Sチェック】J2札幌は守備安定も前線はもっと走り切れ 勝負どころで最大限のパワーを出し切れ

2025年5月19日(月)6時5分 スポーツ報知

17日の富山戦で相手の股下を抜くパスを出す札幌・田中克幸

◆J2第16節・札幌2—1富山(17日・プレド)

 富山戦は違いを見せることができる青木が最後にFKを仕留めてくれて、何とか勝つことができた。どの相手でも拮抗(きっこう)した試合になるのがJ2で、その中で得点を取るところの精度が高いチームが上にいける。現状の札幌はその部分で勝負するには、正直難しい。補っていくには強度をもっと上げることが不可欠になる。

 高嶺、家泉、西野と守備陣の強度は安定しているから、富山戦のようにミスによる失点こそあったが、それ以外はチャンスをつくらせない試合はできる。ただ前線に関しては寄せや切り替えなど、強度のところはまだまだ足りない。上げていくには試合で走り切っていくしかない。90分を戦い抜けなければ、お金をもらうプロの選手とは言えない。

 富山戦の得点シーンには、今後やるべきことが詰まっていた。バカヨコの同点弾は強度を持ってゴール前に入っていったから生まれたもの。その起点となった田中克が素早く入れた縦へのくさびのパスは、乗り切れないこれまでの戦いに文字通り、くさびを打ってくれた。ああいうボールがビシッと入るようになったら、FWは常に受ける準備をするようにもなり、手がつけられないチームになり得る。

 青木のFKも、原が果敢にドリブルでゴールに向かったからこそ、笛が鳴らない可能性もあった反則を取ってもらえた。必死こいて戦ったからこそ、勝利の女神はほほ笑んでくれたのだから。ああいった勝負どころに見せたような場面では最大限のパワーを出し切る。それが終わったら休憩もしてというメリハリを持った試合運びをしていけば、90分を通して高い強度の戦いができるし、成長にもつながっていく。(吉原 宏太、1996〜99年札幌FW)

スポーツ報知

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