巨人・戸郷翔征 復活の好機「甲子園」「5月」といえば…1年前に大記録達成した地で今季初勝利をかけて先発
2025年5月20日(火)5時0分 スポーツ報知
ジャイアンツ球場で調整した戸郷。真剣な表情で練習に励んだ(カメラ・今成 良輔)
巨人の戸郷翔征投手(25)が20日からの阪神3連戦(甲子園)初戦で、今季初勝利を目指して先発する。敵地では、昨年5月24日にノーヒットノーランを達成。開幕から5試合勝ち星から見放されているが、ノーノー達成と同時期に同じ舞台での登板となり、移動日となった19日には「いいイメージで入れる」と前向きに捉えた。阿部監督から助言を受けている新フォークも試し、今度こそ白星をつかむ。
覚悟を決めた戸郷の表情は晴れやかだった。2年連続の開幕投手を務めながら、5戦連続で白星はなし。2軍降格も経験し、模索しながらも首位の阪神相手にマウンドに上がる。
「一人ひとりアウトを取ることを意識しながら、もうここまで来たらやるしかない。もちろん勝ちも欲しいですけど、チームが勝てるように自分の投球をできれば一番かなと思います」
思い出深い舞台が力を与える。昨年5月24日の伝統の一戦で自身初のノーヒットノーランを達成。同時期での登板にあの興奮、感動がよみがえる。
「そういう(記録達成の)イメージの方が強いので、いいイメージで入れるかなと思います。いい結果を求めながらやりたいですし、そういう記念の日に近い甲子園なので、なんとか勝てるように頑張りたい」
阪神戦は今季2戦2敗。2軍降格から復帰後初登板となった5日の東京Dでは、森下にソロを被弾するなど6回3失点で3敗目を喫した。今季チームはこのカードで2勝7敗。前回の3連戦では結果として森下に全試合で被弾しており、勢いづかせないことも重要な役割だ。
「そういう(何度も当たる)運命なのかなと思いますし、手ごわいですけど、うまくいく想像をしながら臨みたい」
新たな挑戦で立ち向かう。前回13日の広島戦(マツダ)では5回8安打4失点。試合後に阿部監督から球種の少なさを指摘され、直球、フォーク、スライダーに続く新球の提案を受けた。
「ブルペンに入って試すこともたくさんしました。いい方向に出れば一番」
指揮官から「フォークも2種類。落としにいくのと、スプリットみたいなちょっと落ちるやつ」とヒントももらい、さまざまな握り方を試してきた。
「フォークは変わった握りでもやっている。試合の中でどう変化をするかすごい楽しみ。理想は球速が変わって打者の目線が変わること。同じ球速でも打者の反応は違うと思うので、観察しながらやっていきたい」
19日はG球場でキャッチボールなどで調整してから移動した。
「勝ちがついてないので、投げ急ぐことが多いですけど、そういうことの徹底を意識しながらやっていく」
阪神とは2・5ゲーム差の4位。エースの完全復活はチームにも不可欠だ。ノーノー達成の地で、殻を破る。(水上 智恵)
【VTR】巨人は5回1死二塁から8番・泉口の左前適時打で先制。先発の戸郷は8回まで許した走者は味方の2失策だけと快投。9回、先頭の木浪に四球を与え1死二塁となったが、近本を一直、中野を低めのフォークで空振り三振に抑え、123球で自身初ノーヒットノーラン達成。プロ野球89人目101度目、甲子園に限れば沢村栄治以来、球団88年ぶりの快挙だった。