ホンダF1本橋CEインタビュー:アルボンの初日5番手に手応え。「前戦で4台入賞を惜しくも逃したので、その辺はぜひ狙いたい」

2019年5月25日(土)12時3分 AUTOSPORT web

 F1第6戦モナコGP初日フリー走行で、アレックス・アルボンが総合5番手の速さを披露した。「いわゆる『乗れてる』状態だし、何よりF1のドライブ自体を楽しんでる感じでした」と、ホンダの本橋正充チーフエンジニアは評していた。


 戦闘力は去年以上と言われながら、なかなか結果に繋がらない今季のトロロッソ・ホンダだが、モナコの週末はいつも以上の手応えを感じているようだった。


──初日とはいえ、順調だったのではないでしょうか?
本橋正充チーフエンジニア(以下、本橋CE):順調でした。特にアレックスが。


──開幕からここまでは、新人のアルボンがベテランの(ダニール)クビアトに初日から後れを取るパターンが多かったと思うんですが、今日は少し違うパターンでした。
本橋CE:楽しんで、運転している感じでしたね。そういうふうに見えました。


 もちろん市街地コースなので、通常のサーキットとは違う気の使い方をしないといけない。その中でもアレックスは果敢に攻めて、F1のドライブ自体を楽しんでいる感じでした。


──クビアトも経験豊富だし、市街地コースも決して苦手なわけではない。けれども今日は、少し苦労していました。
本橋CE:クルマのバランスですね。パワーユニット側にしても、まだセッティングが完璧ではない。市街地コースなので、路面の改善幅が大きいです。それに合わせてチューニングを探す作業が、いつもより少し時間がかかっていますね。ドライバビリティの改善がメインになるんですが、まだ完全ではありません。


──ドライバビリティというと、主にコーナーの立ち上がりですか?
本橋CE:ブレーキングから立ち上がりまで、コーナー全部ですね。こういったコースでは、ドライバビリティをきっちり合わせることが、他のサーキット以上に重要です。それが僕らの、主な作業になります。


──アルボンはクビアトほど、ドライバビリティへの不満はなかったのでしょうか?
本橋CE:いえ、ありますよ。速く走りたいという気持ちが伝わるコメントを、いくつも言ってましたね。こうしてほしいというのは、絶えず言っています。


──今日のアルボンは、いわゆる「乗れてる」感じでしたか?
本橋CE:まったく、そうですね。ほんとに楽しんでいました。


──いっぽうでクビアトは、デプロイが切れたようなコメントを無線でしていました。
本橋CE:はい。データ上では少し分かりませんでしたが、パワーの出方が少し足りないと、デプロイ切れか、ということになりがちなんですね。でもチューニングの範疇だと思います。結局はドライバビリティなんですが、トルクの追従性を合わせていけば消えるはずです。


■クビアトの特徴は視野の広さ


──ふたりのドライバーを比較すると、クビアトの方がやや繊細というか神経質ですか?
本橋CE:そうですね。全体的に広範囲に見て、適切なコメントや要求をするのはクビアトの方が多いし、さすがだと思います。


──技術的なフィードバックは、特にどちらが優れているということはないのでしょうか?
本橋CE:それは、ないですね。ただクビアトは経験豊富な分、視点が広いというか、感覚も鋭いです。

2019年F1第6戦モナコGP ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)


──最終的にこういうクルマにしたいというイメージは、クビアトの方が明確に持っているということでしょうか?
本橋CE:それはドライバーそれぞれなので、何とも言えないですね。でも両方同じくらいに、こうしたいという意思は的確に伝わってきます。


──モナコは特別に1日、中休みがあります。
本橋CE:われわれには、非常に助かりますね。市街地コースで、いろんな可能性を想定しないといけない。ドライバビリティを完璧にするには、かなり細かいデータ解析が必要なんです。その意味でも1日あるのは、予選レースに向けて貴重ですね。有意義に使おうと思っています。


──今季最も、好結果が期待できそうな週末ですね。
本橋CE:どうでしょう。前回、(ホンダの)4台入賞を惜しくも逃したので、その辺はぜひ狙いたいです。


──その辺りの手応えを、今回は感じていますか?
本橋CE:手応え自体は、いつも感じてます(笑)。


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