【巨人】戸郷完封勝利の裏に「エースの教え」 桑田コーチから受け継いだ「金言」とは

2023年5月25日(木)16時30分 ココカラネクスト

桑田コーチは現在はファーム総監督を務める(C)Getty Images

 まさにエースの仕事だった。24日のDeNA戦(東京ドーム)に先発した巨人・戸郷翔征は9回を投げ、5安打無四球、127球で今季初完封勝利。粘り強く投げ、エースの証ともいえる1−0での価値ある勝利をもぎとった。

 この日は投球内容もモデルチェンジ。通常の直球とフォークのコンビネーションから、カーブ、スライダー、数種類のフォークを投げ分け、好調DeNA打線に的を絞らせなかった。昨季は封印したカットボールも試投するなど幅広くプレートを使い、テンポ良く投げ込んだ。

【動画】最後は好調な宮崎を空振り三振に打ち取り、ゲームセット!戸郷がエースの証、1−0の完封勝利をあげたシーン

 これには試合後の原監督も「比較的、多い球種を使って投げていた。新しい翔征だったという感じ」とニュー戸郷を高く評価した。

 そんな戸郷は試合後のヒーローインタビューでもエースの自覚をにじませた。

 「いつも中継ぎ陣に助けてもらっているので今日ぐらいは一人で頑張ろうと思った」ときっぱり。このコメントにはベンチでヒーローインタビューを見守っていた中継ぎ陣も拍手喝采だった。

 これでリーグトップタイの5勝目。今季から投手主将を務め、名実ともにチームを引っ張る戸郷の胸には昨年投手チーフコーチ(現ファーム総監督)を務めた桑田氏の言葉が残っている。

 巨人OBである上原浩治氏のユーチューブチャンネル「雑談魂」に昨年9月に出演した桑田コーチは上原氏とのやり取りの中で、戸郷にかけた言葉を明かしている。

 当時好投を続けながらも打線とのめぐり合わせもあり、なかなか勝ち星に恵まれなかった戸郷に対しては「そこで粘って勝ちを拾っていくのが本当のエースだよ」と、粘り強く取り組むように励ましていたというのだ。

 エース級の投手ともなれば「相手のエースと投げ合うから点が入らない」とした上で、自身も現役時代に味方打線の援護が見込めず、僅差で敗れた試合が何試合もあったことを振り返った桑田コーチ。これには巨人軍のエースとして多くの勝ち星を積み重ねた上原氏も深くうなづいていた。

 実際にこの日も、巨人打線の得点は2回に岡本和真が放った9号ソロのみと苦しい展開が続いた。6回には先頭の吉川尚輝が二塁打を放ち、好機を広げようと続く丸佳浩に送りバントを命じるなど、原監督も必死にタクトをふるったが、追加点は奪えなかった。緊迫した投手戦となる中、最後までマウンドを降りず、エースの矜持を示した戸郷。

 チームはこれで再び貯金1とし、3位をキープ。原監督が目途としていた勝負の6月を前に上昇気流に乗ろうとしている。エースと4番が働くチームは強いとされる。目指すV奪回に向け、戸郷の存在感は益々大きいものとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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