「彼女の前で何とか馬券を当てたかった」 バターヤングの佐野寛が語る「思い出のダービー馬」
2025年5月29日(木)16時0分 ココカラネクスト

人生で初めて、ダービーを生観戦したという佐野氏
好評連載中の特別企画「思い出のダービー馬」の第4回にはお笑いコンビ「バターヤング」の佐野寛が登場。人生初体験のダービー生観戦を語った。
佐野の心に強く残っているのは第89回(2022年)のダービー馬、ドウデュース(父・ハーツクライ)だ。鞍上はレジェンドの武豊で、このコンビでは日本のホースマンの夢、凱旋門賞制覇にも挑戦。〝おドウ〟の愛称でファンに愛された。
【動画】2022年のダービー馬、鋭い差し脚を披露したドウデュース
ーー人生で初めて、ダービーを生で観戦したんです。当時、交際していた彼女と一緒に。コロナ禍が収まりつつある中でのダービーで、マスク着用していましたが、競馬場の熱気は何とも言えないものでした。
ライバルにはのちにG1を6連勝し、世界的名馬の名声を得るイクイノックスを始め、実力馬がずらり揃う。実は佐野の本命馬はドウデュースではなく、そのライバルの一頭だったアスクビクターモアだった。
ーー彼女の前で何とか、ダービーで馬券を当ててプレゼントしたかったんです。人気だったドウデュースやイクイノックスは後方から競馬をするタイプですし、先行するアスクビクターモアなら、『もしかしたら一発ある』と。
レースは佐野が思い描いた通りの展開に。アスクビクターモアは2番手のポジションで最後の直線に入り、残り2ハロンで早めに抜け出した。
ーーもう大興奮でした。「どうしよう! 当たっちゃう!」。
ところが残り1ハロン、ドウデュースが鋭い末脚を繰り出し、あっという間にアスクビクターモアを抜き去った。そのままゴール板を駆け抜け、鞍上の武豊はダービー6勝の偉業を達成した。
ーー悔しい、不思議とそんな気持ちはまったくなかったです。それよりもあの「ユタカ! ユタカ!」の大声援が凄かった。コロナ禍でうっ積していた競馬ファンのパワーが爆発した地響きですよ。あのドウデュースはいまでも目に焼き付いてます。帰りの京王線の電車の中では、周りのファンの方と同じようにレースの興奮を彼女に語ってました。
握りしめた馬券は望むような結果とはならなかった。
ーーもちろん馬券には「勝った、負けた」があって、みんなが喜べることは、まれ。でも競馬には「外れたけどいいものが見れた」って1つになれる瞬間があるんです。その1つが、あの時の武騎手とドウデュースだったと思います。
【さの・かん】
1996年5月10日。静岡県出身。相方のオーニシ馬(うま)と2022年6月1日に「バターヤング」を結成する。趣味の競馬は地方競馬まで網羅するほど。高知競馬ファイナルレースが大好き。サッカー好きな一面もあり、サッカーにまつわる様々なことをネタにした動画も人気急上昇中。