【日本ダービー】ヒーローを求めていた2005年 ディープインパクト“飛んだ” 武豊「この馬に出会えて本当によかった」

2025年5月29日(木)5時30分 スポーツ報知

第72回日本ダービーを制したディープインパクトと武豊

 時代はヒーローを求めていた。昭和元年から80年目の05年。日本は「小泉劇場」の中にいた。当時の小泉純一郎首相が郵政民営化を目指し、8月に衆議院を解散。総選挙に踏み切ると、首相の圧倒的な熱量が日本全体をのみ込み、自民党は歴史的圧勝を演じた。

 競馬界にもヒーローが誕生した。ディープインパクトだ。父に日本の競馬史を変えたサンデーサイレンスを持ち、デビュー戦から馬上には武豊。デビュー3連勝で迎えた皐月賞は発馬で大きくつまずきながらも、最後は手綱を緩められた状態で2馬身半差の圧勝だった。「この馬に出会えて本当によかった」とはレース後の武豊。最上級の賛辞からもスケール感が伝わった。

 そして迎えた競馬の祭典。単勝の支持率はダービー史上最高の73・4%まで上がり、払戻金は同じく史上最も安い110円まで下がった。異常とも言える状況に圧倒的な強さで応える。早々と外へ持ち出された直線では一頭で“飛んでいた”。ラスト1ハロンでは涼しい顔でインティライミをとらえ、あとは突き離す一方で後続に5馬身差。2分23秒3という当時のダービーレコードタイで駆け抜けた。

 当時36歳。武豊は「今、感動してます」と喜びを口にした。その後も秋には菊花賞で史上2頭目の無敗3冠を達成するなど競馬界の最強馬に君臨し続け、まだ4歳だったラストランの翌06年有馬記念までG17勝。その強さはDNAとして受け継がれ、祭典の親子制覇は断トツの7例にもなる。

 なかでも唯一、武豊によって達成されたのが13年のキズナだ。今年はその子供のサトノシャイニングで史上初の親子3代制覇を目指す。昭和100年になる大きな節目の年。レジェンドには歴史を塗り替える偉業達成がよく似合う。(山本 武志)

スポーツ報知

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