武居 衝撃の127秒殺 次々戦に王座統一戦熱望 天心には上から目線「彼はまだチャンピオンじゃない」

2025年5月29日(木)5時0分 スポーツニッポン

 ◇WBO世界バンタム級タイトルマッチ12回戦 王者 武居由樹(大橋) TKO1回2分7秒 同級7位 ユッタポン・トンデイ(タイ)(2025年5月28日 横浜BUNTAI)

 WBO世界バンタム級王者・武居由樹(28=大橋)が挑戦者ユッタポン・トンデイ(31=タイ)から初回に3度のダウンを奪うなど1回TKO勝ちで2度目の防衛に成功。自身3戦目の世界戦で初のKO勝利を挙げ、9月に予定される指名試合クリア後に他団体王者との王座統一戦を熱望した。

 衝撃の127秒殺だった。武居は1回、ゴングと同時に前に出ると、いきなり強烈な左フックでダウンを奪う。再開後も猛ラッシュを浴びせ、これまでダウン経験のない挑戦者を3度リングに沈めた。最後はロープ際でめった打ちにして試合を終わらせると「絶対にKOで勝ちたかった。1回から倒しにいくつもりだった」と涼しい顔で振り返った。

 持ち前の野性味を取り戻した。世界戦過去2戦はともに判定勝ち。昨年12月上旬のスパーリングで右肩を負傷後、徹底的に磨いた左で完全復活をアピールした。「倒して勝てたのはよかった。(野性味は)取り戻せたのかな」と世界戦での初KO勝利を喜んだ。

 次戦はWBO同級1位ヒメネスとの指名試合となる見込みで9月14日にIGアリーナ(名古屋)で予定される世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥とWBA暫定王者アフマダリエフの団体内王座統一戦を行う興行に参戦予定。リング上では「1本じゃ物足りなくなってきた」と次々戦にも他団体王者との王座統一戦を熱望。所属ジムの大橋会長も「面白い対決を実現させたい」とゴーサインを出した。

 対戦が待たれる那須川天心戦実現にも望みをつなぐ1勝となったが、リング上ではあえて“宿敵”の名前を挙げなかった。「だって彼はまだチャンピオンじゃないので」とすました表情で言い「まあ応援しています」とさらっと上から目線でエールを送った。試合内容、発言ともに世界王者の風格が備わってきた。 (伊東 慶久)

 ▽武居—ユッタポン戦VTR 武居が1回に圧倒し、早々に試合を決めた。立ち上がりから圧力をかけ、左を当ててダウンを奪うと、相手に回復する余裕を与えずに畳みかけて再び左で倒した。連打で3度目のダウンを奪い、さらにラッシュしたところでレフェリーが試合を止めた。鋭いパンチを的確に当て、勝機を逃さなかった。ユッタポンは打つ手がないまま倒された。

 ◇武居 由樹(たけい・よしき)1996年(平8)7月12日生まれ、東京都足立区出身の28歳。10歳でキックボクシングを始め、14年11月にKrushでプロデビュー。16年6月に初代Krushバンタム級王座、17年4月にK—1ワールドGPスーパーバンタム級王座を獲得。キック通算25戦23勝(16KO)2敗。21年1月にボクシングのプロテストに合格し、3月のデビュー戦で1回TKO勝ち。昨年5月6日にジェーソン・モロニーを判定で破り、WBO世界バンタム級王者に。1メートル70の左ボクサーファイター。

【観戦の堤が対戦熱望】

 目の手術の影響でWBA世界バンタム級・休養王者となっている堤がリングサイドで観戦し、武居との統一戦を熱望した。リング上で「もう一本ベルトが欲しい」と語った武居に対し「僕も武居もやらなきゃいけない試合がある。それを無事クリアして、いいタイミングでできるんじゃないかな?楽しい感じになってきましたね」と不敵に笑った。この日の一戦には「インパクトが凄いあった」と話していた。

スポーツニッポン

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