ソフトバンクが5割復帰し首位と3差 選手会長の周東「自分が決める」サヨナラ二塁打
2025年5月29日(木)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ ソフトバンク2—1日本ハム(2025年5月28日 みずほペイペイ)
ソフトバンクが今季3度目のサヨナラ勝ちで勝率を5割に戻した。1—1の9回2死、選手会長を務める周東佑京内野手(29)の右越えサヨナラ二塁打で逆転勝利。先発したリバン・モイネロ投手(29)の8回1失点の好投も光った。昨季から続いた本拠地での日本ハム戦の連敗を8で止め、首位とは再び3ゲーム差。30日からの楽天3連戦(楽天モバイル)を経て歴代最多8度の優勝を誇る交流戦に入る。
歓喜の輪は二塁を回ったところでできた。細身で色白の背番号「23」を、渡辺が抱きかかえる。仲間たちが近づき、次々と手荒い祝福を受けた。見事にひと振りで仕留めた。
「自分が決める。俺が打ってこの試合を終わらせる気持ちでした。狙い球を絞って、狙い通りの球を打てた。モイネロにオスナ。投手の頑張りを見て分け、負けで終わらせないでおこうと。勝ててよかった」
文句なしの打球は前進守備を敷いていた右翼手の後方で弾んだ。1—1の9回2死二塁。6番手・柳川の2球目のフォークを振り抜いてサヨナラ適時二塁打。「勇(野村)につなげようと思って、外野も内野も前。ヒットゾーンが広かった」。打席で冷静だった。
20日の日本ハム戦で右腓骨(ひこつ)骨折から1軍復帰し「1番・中堅」でスタメン出場を続ける。5回1死一、二塁では加藤貴の直球を左前に運び、4試合連続安打と好調。チャンスでは“自分”に勇気をもらっている。「得点ボードの得点圏打率を見て気持ち良くなってて。チャンスで打てているのを実感しています」。この日の一打も合わせ、得点圏では26打数12安打14打点で打率・462と勝負強さが際立つ。
選手会長は気配り、目配りをして1軍を離れた。今春キャンプからボートのオールのような黄色いバットを使い、ティー打撃を続けている。4月23日に離脱後、それを置いたままにした。「達(柳町)が使っていたので。僕は筑後で近藤さんのを使いました。達も(状態)いいし、僕も長く球を見てバットの面を使えています」と相乗効果につなげる。
0—0の4回1死満塁では清宮幸の中前へのゴロを捕球後に本塁送球。二塁走者の石井を刺し、1点で止めた守備も光った。これで本拠地での日本ハム戦は今季5試合目で初勝利。昨季から続く連敗は8で止めた。勝率も再び5割とし、日本ハムとも3差に戻した。
小久保監督は「勇(野村)にかけていたが、周東で勝負をしてくれた」と安堵(あんど)し大きく息を吐いたが、周東は力強かった。「まだ4位ですけど、本当の勝負はここから」。反撃へ、選手会長は実に頼もしい。 (井上 満夫)