阪神・近本 難敵ケイ撃ち「何とか前に」今季19イニング目初得点の先制V撃で3連勝

2025年5月29日(木)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神1—0DeNA(2025年5月28日 甲子園)

 阪神・近本光司外野手(30)が28日、DeNA戦(甲子園)で虎の子の1点を叩き出す決勝タイムリーを放った。0—0の5回2死二塁で、DeNA先発・ケイから均衡を破る先制の左前適時打。難敵左腕から今季対戦3試合、19イニング目にして奪った初得点を白星に直結させた。節目の通算1000安打まで残り7本。チームは2試合連続「1—0」の接戦を制して3連勝。貯金を今季最多の「8」とし、5月の月間勝ち越しを決めた。

 近本らしい巧打だった。0—0の5回。先頭・木浪の左前打から2死二塁とし、リードオフマンが打席に立った。マウンドにはケイ。4月3日、5月13日の過去2度の対戦で、右打者は安打すら打てず、計14イニング無得点。この夜も、4回まで佐藤輝と木浪の2安打のみだった。カウント2ストライクからの4球目、外角に沈むスライダーを攻略。厚く高い「ケイの壁」を砕いた。

 「今日は全然前に飛ばないなと思っていたので(適時打は)何とか前に飛んだ打球だった。直球もカットボールもツーシームも全部ファウル。(スライダーを)狙っているとかではないが、“前に飛んだ”という感じ」

 背番号5に快音の感慨はなく、反省にも似た言葉を淡々と並べた。初回先頭の第1打席は、ファウル4球でカウント1—2から一ゴロ、3回2死からの第2打席は、ファウル5球でフルカウントから四球をもぎ取った。「(ケイは)全部が良かった。何とか球数(を投げさせる)というところ」。適時打までに近本一人で21球を投げさせ、左腕にボディーブローを食らわせた。

 「試合展開的には、しんどい試合が続いている。何とか頑張りたい。もうひと踏ん張り、ここは頑張らないとな、と思っている」

 三十にして“立つ”——。近本の走攻守全てにおける「基礎」となっているのが「立ち方」だ。ここ2、3年、オフの自主トレからしっかりと「地面に立つ」ことに意識を置く。足、膝、股関節から上半身の胸郭、肩関節…。体の全ての部位を連動させた上で直立する。地に足がついていない感覚があれば危険信号で、トレーナーと改善方法を探る。日々向き合うボディーセンサー。「体」のバランスに問題がない今、長年培った「心と技」で戦うのみ。試合前には室内で早出特打に臨み、調整にも余念がない。

 「チャンスメークという自分がやることは変わらない。最終的に勝ったので良かった」

 3、4月に続き、チームは5月も月間勝ち越しを決めた。近本の今季4度目のV打となる一打はリーグトップのシーズン60安打目で通算安打数も993本。猛虎が誇る安打製造器は、目の前の1打席に精神を研ぎ澄ませ、偉業と勝利の両立を期す。(八木 勇磨)

 ○…阪神は3連勝で貯金を今季最多の8に伸ばした。昨季、貯金8に到達したのは97試合目(8月2日)で、今季は48試合目と好調。5月は13勝8敗1分けとなり、3試合を残して3・4月に続く月間勝ち越しを決めた。

スポーツニッポン

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