楽天・村林 プロの技V打 スクイズ外しワンバンを神ファウル→左翼線へ打ち返す

2025年5月30日(金)5時30分 スポーツニッポン

 ◇パ・リーグ 楽天6—3西武(2025年5月29日 ベルーナD)

 神ファウルからの殊勲打だ。楽天・村林一輝内野手(27)が29日の西武戦でプロの技を魅せる決勝二塁打を放った。同点の6回1死二、三塁からのスクイズで武内が空振りを狙って投げたワンバウンドの球をバットに当ててファウル。好機を継続させ、直後の球を左翼線へ打ち返した。リーグトップの打率・336を誇るバットコントロールを発揮し、高レベルのせめぎ合いを制した。

 村林はアクション映画が好きだ。お気に入りはジョン・ウー監督の中国映画「レッドクリフ」。3—3の6回、まさにアクション俳優さながらのバットさばきで神業を披露した。投手VS打者。プロの凄みが凝縮された一球の攻防で試合の流れをたぐり寄せた。

 「あれは奇跡ですね。何とか、と…。ファウルにできて良かった」

 1死二、三塁からの2球目。サインはスクイズだった。マウンド上の武内は村林のバントの構えを見て「空振りが取れたら」とツーシームをわざとワンバウンドで投げた。「江夏の21球」を思わせる超絶プレーだ。

 伝え聞いた村林は「すご…。凄いですね」と驚いたが、そのワンバウンドをバットに当て、ファウルにしたのも凄かった。スタートを切っていた三塁走者の小深田は目の前に迫り、空振りなら憤死は必至。サインを出した三木監督も「彼の気持ち強さ。よく当ててくれた」と大感謝だった。

 直後の3球目は強攻策。村林は「切り替えて次の球に集中した。うまく反応できた」と直球を左翼線に運んだ。決勝の2点二塁打。8回にも左前打を放ち、チームトップとなる17度目のマルチ安打でリーグトップの打率を・336に上げた。

 プロ10年目。今季から憧れの存在であるDeNA・藤田一也2軍コーチがつけていた背番号「6」に変わった。決まった際に連絡をもらった藤田コーチは「ずっと欲しいと言っていた。6番が似合うし、レギュラーで出ているのが僕もうれしい」と喜ぶ。「6」といえば遊撃。昨季の定位置でこだわりの強いポジションにはドラフト1位・宗山が入り、三塁での出場が続く。5回には外崎のライナーをジャンプして好捕。6回にも児玉の打球を横っ跳びで捕球してアウトにした。

 「チームのために全力を尽くすのは、どこのポジションでも変わらない」。守備、そして打撃の職人。その存在感は日ごとに増している。(鈴木 勝巳)

スポーツニッポン

「楽天」をもっと詳しく

「楽天」のニュース

「楽天」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ