メルセデス、F1新世代パワーユニットは「技術的に後退」と主張も、FIAの提案を受け入れ

2018年6月4日(月)16時26分 AUTOSPORT web

 メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、2021年にF1パワーユニットのMGU-Hが廃止されることを受け入れざるを得ないと認める一方で、これは技術の後退であると嘆いた。


 2021年から導入する新しいF1テクニカルレギュレーションを策定するため、現在チーム、FIA、商業権保有者の間で協議が行われている。


 変更点のひとつは、MGU-Hの廃止だ。MGU-Hの開発には多額の費用がかかり、実際にうまく機能させるのも簡単ではない。F1は、よりシンプルで、安価で、サウンドの大きなエンジンを導入することを目指す上で、2021年からの新世代パワーユニットにMGU-Hを含めないという方向を定めた。


 F1パワーユニットマニュファクチャラー全社がMGU-Hの廃止に合意したといわれているなか、メルセデスはMGU-Hをなくすことに反対ではあるものの、これを受け入れざるを得ないという考えに至ったと、ウォルフは語った。


「いくつかの問題については断念した」とウォルフは認めた。


「MGU-Hを失うことを受け入れた。これによって技術面で後退することになると考えてはいるが」


「ハイブリッド・エネルギー・リカバリー・システムは市販車に利用されている。そういったものはF1でも使用すべきであると私は考える。現実世界で起きていることを直視すべきだ」


「しかし、(F1の)ショー的要素、“H”、回転数や燃料制限といったものの最善の妥協点を探った結果、燃料を制限されず、音の大きなエンジンを使用することになるだろう」


「エンジンサウンドでインパクトを与えることは、改善可能な問題だ。我々は、エンジンレギュレーションにおいて、問題点をクリアしつつあると思う」


「環境に優しく、という方向性のメッセージにはならないが、ショー的要素が重要なことは分かっているし、それを検討し、受け入れなければならない」


 FIA会長ジャン・トッドは、現行のパワーユニットについて、「美しいアートであり技術だ。だがファンが期待しているものではないという意見を聞く。優れた選手権にするために必要なものではない」と語っている。


 ウォルフはまた、現在のパワーユニットの開発を続けつつ、新しいテクノロジーの開発のために投資しなければならないことに懸念を示している。


「解決すべき大きな問題はただひとつ。エンジン開発に予算をかけすぎていることだ」とウォルフ。


「今後の数年にわたって、支出が2倍になることは避けなければならない。現在のエンジンの開発を続けつつ、新しいエンジンの開発を行うようなことは避けるべきだ」


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