高校時代から「僕、めっちゃ柔らかかったね」完投6勝の巨人・戸郷を支える柔軟性 股割りもお手の物

2024年6月15日(土)5時0分 スポーツ報知

完投勝利を挙げた戸郷(中)とタッチを交わす巨人ナイン(カメラ・今成 良輔)

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◆日本生命セ・パ交流戦 日本ハム2—7巨人(14日・エスコンフィールド)

 巨人が日本ハムに快勝して連敗を6でストップした。戸郷翔征投手(24)は2失点で今季2度目の完投。6勝目を挙げてチームの勝率を5割に戻した。

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 最後まで戸郷はマウンドを譲らなかった。北海道の巨人ファンからの温かい声援を背に7—2の9回もマウンドへ上がった。先頭の清宮に左翼へ安打を許したが、水谷、五十幡を打ち取り、最後は万波をフォークで空振り三振。9回今季最多の134球を投げ4安打2失点。今季2度目の完投でチーム単独トップの6勝目を挙げたが「連敗を止めることが一番ですし、序盤にあれだけ点を取ってもらったので。投げきったけど反省が多いゲームでした。本塁打も2本打たれて」。目指すべきところが高いだけに納得はしなかった。

 前回右腕が登板した7日のオリックス戦から6連敗中だったチーム。前日13日に北海道入りした右腕と違い、当日移動した中継ぎ陣の負担も考えていただけに、「完投できてよかった」と胸をなで下ろした。最速151キロの直球にスライダー、フォークなどで9K。4回は水谷、7回は松本剛にともにソロを浴びて悔しさをにじませたが、4試合連続のハイクオリティースタート(HQS=7回以上自責2以下)に、チームの連敗を止めた。

 開幕から金曜日に中6日で投げ続けるなど、プロ6年目もタフで安定した投球を見せている。「やっぱりそこが一番。結果ももちろんだけど、けがしないことが大事」と、入念な準備がある。聖心ウルスラ高時代から「僕、めっちゃ柔らかかったね」と、股割りもお手の物。「今も柔らかい方だけど、筋肉がつくと動かなくなるから」とウェートなどのハードなトレーニングだけでなく、柔軟性を意識したトレーニングにも時間をしっかりとかけているからこそだ。

 地元・宮崎で行っている自主トレではボディービルダーの鈴木雅氏から指導を受けながら、最初に1時間ほどピラティスを行って関節をしっかりと伸ばしていた。鈴木氏も「彼のいいところは胸郭の柔らかさ。けがをしないようにするためにもそこを落とさないように重視していて、可動域が広い」と太鼓判を押す。完投できるスタミナと頑丈な体の秘密のひとつだ。

 「完投数を増やすことが今シーズンの目標でもあるので。良い状態がつくれていると思います」と戸郷。頼れるエースがチームを押し上げ続ける。(水上 智恵)

 【村田真一Point】戸郷はエースらしい、落ち着いた投球やったね。真っすぐが初回からよく走っていた。それを生かしてコースを散らした岸田のリードも見事やった。一番感心したのはマウンドさばき。「絶対に連敗を止めてやろう」とマウンドへ上がったはずで、そうすると上体の強さが勝って、シュート回転する球が増えるんよね。でもそれがほとんどなかった。一発を浴びても、点差を見て落ち着いて後続を断っていたし、精神的にも成長したね。本当に勝負強い投手になってきた。(スポーツ報知評論家)

スポーツ報知

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