榎戸が雨の筑波を制しJ-GP2クラス初優勝。J-GP3は波乱の展開に/全日本ロード第4戦レース1

2019年6月23日(日)0時10分 AUTOSPORT web

 6月22日、全日本ロードレース選手権第4戦のJ-GP3クラス、J-GP2クラス、ST600クラスの決勝レース1が筑波サーキットで行われた。J-GP3クラスは福嶋佑斗(Team Plusone+f)が、J-GP2クラスは榎戸育寛(SDG Mistresa RT HARC-PRO)が、レース1は長尾健吾(NCXXRACING&善光会 TEAMけんけん)が優勝した。


 全日本ロードの筑波ラウンドは、J-GP2クラス、J-GP3クラス、ST600クラスの3クラスがそれぞれ2レース制で開催。午前中の予選の後、午後から決勝レース1が行われた。


■豪雨で波乱の展開となったJ-GP3クラス


 予選でポールポジションを獲得したのは長谷川聖(CLUBY’s)、2番グリッドは鈴木大空翔(BATTLE FACTORY)、3番グリッドは村瀬健琉(ミクニ テリー&カリー)というフロントロウとなった。


 予選はドライコンディションで行われたJ-GP3クラスだったが、午後からサーキットに雨粒が落ち始める。27台20周で争われる決勝レース1のスタート直前になると雨脚は強まり、路面は完全なウエットコンディションに。レースは12時45分の定刻通りスタートを迎えた。


 ホールショットを奪ったのは鈴木、ポールスタートの長谷川は2番手で1コーナーを抜けていった。


 S字コーナー入口では大堀が長谷川のインを突いて3番手を奪うも、第1ヘアピンで大回りとなり、4番手に後退。3番手には長谷川の後方につけていた村瀬が続く。


 最終コーナーに入ると村瀬が長谷川アウトからパスして2番手に浮上。トップを走る鈴木はオープニングラップを終えると2番手の村瀬との差を2秒以上に広げた。


 2周目に入るとS字コーナーで木内尚汰が転倒。マシンがコース上に残ったため赤旗中断となる。


 約7分の中断の後にレースはクイックリスタート方式で再開。スターティンググリッドは予選と同じ並びで5周減算の13周となった。


 リスタートでも鈴木がスタートを決めてホールショット。2番手に長谷川、3番手に村瀬と続いていく。最終コーナーに入ると村瀬が長谷川をパス、そのままホームストレートを抜けてると鈴木を1コーナーで鈴木を捕えてトップを奪う。


 鈴木をかわした村瀬は、ペースをあげ2番手を引き離しにかかるが、3周目の1コーナー立ち上がりでマシンが大きく振られ、コースオフ。転倒は免れ、再びコースへと復帰するが、5番手に順位を落とす。これによりトップは鈴木、2番手福島、3番手長谷川、という並びとなる。


 コースオフした村瀬は4周目に大堀和基をかわして4番手浮上。5周目に入ると鈴木、福島、長谷川、村瀬、大堀の5台がグループを形成していく。


 6周目には1コーナーで村瀬が福島をかわして2番手に浮上。ここで雨脚はさらに激しくなり水しぶきを激しく巻き上げる状況に。トップグループが最終コーナー立ち上がると5番手を走行していた大堀がハイサイド転倒を喫して離脱する。


 8周目には長谷川がペースを落として5番手に後退。変わって後方から追い上げてきた特別参加枠で出場の濱田が4番手に上がる。


 9周を終えるとトップは鈴木と福島の2台に。11周目には2番手の福島がアジアコーナーで鈴木を捕えてトップを奪取する。


 残り2周になると福島がペースアップ。鈴木もぴたりとつけて福島を追うが届かず。福島が逃げ切って全日本初優勝、鈴木が2位、濱田が3位でチェッカーを受けた。


 J-GP3クラスの決勝レース1結果は以下の通り。


■全日本ロードレース第4戦筑波:J-GP3決勝レース1結果(20周/編集部集計)


天候:雨 路面:ウエット
































































































































































































































































Pos.No.RiderTeamMotorcycleTypeTotalTime/Delay
188福嶋佑斗Team Plusone+fホンダNSF250RBS15’02 814
211鈴木大空翔BATTLE FACTORYホンダNSF250RDL0.086
355濱田寛太ライダーズサロン横浜ホンダNSF250RDL1.108
4392村瀬健琉ミクニ テリー&カリーホンダNSF250RDL3.577
536長谷川聖CLUBY’sホンダNSF250RBS4.937
613岡崎静夏Kohara Racing TeamホンダNSF250RDL7.940
714中山愛理TEAM SHOTAホンダNSF250RBS7.940
829S.アギアスMIE RacingホンダNSF250RDL7.940
95藤井謙汰Kohara Racing TeamホンダNSF250RDL9.840
1017太田虎之進WJ-FACTORYホンダNSF250RBS14.789
1120高杉奈緒子41PLANNINGKTM・RC250RDL17.659
129山本恭裕チームライフ・ドリーム北九州ホンダNSF250RDL29.012
1318安村武志犬の乳酸菌jp/ プリミティブRTPRCS・PRCS3dDL29.012
1452藤田哲弥TEAM MASSA-RホンダNSF250RDL31.019
1521村田憲彦CLUBY’sホンダNSF250RBS36.507
1631西田信義WJ-FACTORYホンダNSF250RBS39.387
1716白石玲菜Dreamline PlusoneホンダNSF250RBS40.224
1871成田彬人Team P.MU 7C MIKUNIホンダNSF250RDL41.432
1961柳沢祐一ENDLESS TEAM SHANTIホンダNSF250RDL41.549
2032三好菜摘RG NIWA with オーテック・スズカホンダNSF250RBS42.013
2115野澤秀典ノザワレーシングファミリーホンダNSF250RBS43.900
2254江澤伸哉team hiro’ck and HARCホンダNSF250RDL1’03.972
2334細谷翼Team SRS-MotoホンダNSF250RDL2 Laps(リタイア)
64大堀和基CLUB HARC-PRO.ホンダNSF250RBS7 Laps(リタイア)
50山田尚輝team hiro’ck&HARCホンダNSF250RDL11 Laps(リタイア)
41宇井陽一41PLANNINGKTM・RC250RDL11 Laps(リタイア)
53木内尚汰S-SpeedホンダNSF250RDLスタート出来ず


■雨のレース1制した榎戸育寛がJ-GP2初優勝


 予選でポールポジションを獲得したのは名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO.)、2番グリッドは岩﨑哲朗(OGURA CLUTH with RIDE IN)、3番グリッドは榎戸というフロントロウとなった。


 J-GP3クラスの赤旗中断によるリスタートにより約30分遅れでスタートしたJ-GP2クラス。決勝レース1は20周、11台によって争われた。


 迎えたスタートでホールショットを決めたのは3番グリットからスタートした榎戸。ポールスタートの名越は2番手に後退し、3番手には5番グリットスタートの作本輝介(Team 髙武 RSC)が続く。


 2周目に入ると榎戸は、2番手の名越以下を引き離しにかかる。しかし、名越も離されまいとペースを上げる。4周目にはコンマ5秒差まで縮めた。


 名越のペースアップに反応したのか、榎戸がペースアップ、縮まっていた名越との差を広げ始めた。


 6周目に入ると3番手争いが激化。作本を先頭に岩崎、阿部恵斗(webikeチームノリックヤマハ)、小谷咲斗(TEAM PLUSONE with TARO)の4台が並ぶ。


 8周目に岩崎が1コーナーのエンドで作本をかわして3番手浮上。その後、作本は阿部にも交わされて4番手に後退する。


 レースは折り返し地点を終え、トップの榎戸と2番手の名越の差は3秒以上に広げて単独走行に入っていく。


 13周目に入ると再び3番手争いが動く。1コーナーで阿部が岩崎をインからかわして3番手に浮上。15周目には1コーナーで阿部、岩崎、作本のスリーワイドとなり、これを作本が制して3番手を奪う。岩崎は4番手、阿部は5番手に下がった。


 16周目に入ると阿部のペースが落ち始め、3番手争いは作本と岩崎の2台となる。


 トップ独走の榎戸はファイナルラップに入るとそのままチェッカー。J-GP2初優勝を挙げた。名越は9秒748差の2位でレースを終えた。


 3番手争いは最終ラップに入っても白熱。最後は作本がポジションを守り切り3位表彰台を獲得。岩崎は最終コーナーで作本に仕掛けようとするもバックマーカーに引っかかり、4位でチェッカーを受けた。


 J-GP2クラスの決勝レース1結果は以下の通り。


■全日本ロードレース第4戦筑波:J-GP2決勝レース1結果(20周/編集部集計)


天候:雨 路面:ウエット
















































































































Pos.No.RiderTeamMotorcycleTypeTotalTime/Delay
171榎戸育寛SDG Mistresa RT HARC-PROハルク-プロHP6-qBS21’06.016
2634名越哲平MuSASHi RT HARC-PRO.ハルク-プロHP6-qBS9.748
34作本輝介Team 髙武 RSCモリワキMD600BS15.110
470岩﨑哲朗OGURA CLUTH with RIDE INカワサキZX-6RPI15.416
514阿部恵斗webikeチームノリックヤマハヤマハYN6BS18.833
622小谷咲斗TEAM PLUSONE with TAROホンダHP6-qBS18.950
7392尾野弘樹ミクニ テリー&カリースズキGSX-R600DL31.946
836徳留真紀マルマエMTRホンダHP6BS38.210
918豊島怜SpeedHeart DOGFIGHTR YAMAHAヤマハYZF-R6DL56.789
1019井手翔太HiTMAN RC甲子園ヤマハヤマハYZF-R6DL1 Lap
1179朝比奈正アサヒナレーシングASAHINA・Z6002 Laps


■ST600は長尾健吾が今季初優勝


 ST600クラスの予選では國峰啄磨(日本郵便 HondaDream TP)がポールポジションを獲得。長尾健吾(NCXXRACING&善光会 TEAMけんけん)が2番グリッド、岡本裕生(51ガレージニトロレーシング)が3番グリッドというフロントロウとなった。


 ST600クラスの決勝レース1は約40分遅れの15時09分にスタート。路面コンディションはウエットだが、J-GP2クラスの決勝レース1終わりまで振り続けた雨はスタート前にはほぼ止んでいた。


 迎えたスタート。2番グリッドスタートの長尾がホールショットを奪うが、イン側のラインをとった3番グリッドスタートの岡本がトップを奪う。長尾は2番手となり、ポールスタートの国峰は3番手に後退する。


 岡本はオープニングラップから2番手の長尾に1秒近いリードを築き、独走態勢を築こうとするが、長尾も離されまいとペースを上げる。


 5周目に入るとトップグループは岡本と長尾の2台に。路面が徐々に乾いていくなか、11周目に入ると長尾が岡本のスリップを使って並び1コーナーの進入でトップを奪取する。12周目には後方から迫ってきた奥田教介(Team MF & Kawasaki)が岡本を捕らえて2番手浮上。これで岡本は3番手に後退した。


 3番手に後退した岡本はペースが上がらず、後方から迫ってきた小山知良(日本郵便 HondaDream TP)に追いつかれてしまう。18周目に入ると1コーナーで小山が岡本に仕掛け、S字コーナーの入り口で3番手を奪う。岡本も負けずとヘアピンで小山をかわしポジションを守った。

ST600クラスは長尾健吾(NCXXRACING&善光会 TEAMけんけん)が今季初優勝を挙げた。


 長尾はファイナルラップに入るそのままチェッカーを受けて今シーズン初優勝。奥田は長尾との差を徐々に縮めていたが届かず、1秒859差の2位でレース1を終えた。


 3番手争いはファイナルラップに入っても続き、最後は第1ヘアピンで小山が岡本をかわして勝負あり。小山は3位表彰台を獲得し、岡本は4位でフィニッシュした。


 ポールスタートの國峰15位でレースを終えている。


 ST600クラスの決勝レース1結果は以下の通り。


■全日本ロードレース第4戦筑波:ST600決勝レース1結果(20周/編集部集計)


天候:曇り 路面:ウエット



























































































































































































































































































Pos.No.RiderTeamMotorcycleTypeTotalTime/Delay
150長尾健吾NCXXRACING&善光会 TEAMけんけんヤマハYZF-R6BS21’06.091
257奥田教介Team MF & KawasakiカワサキZX-6RBS1.859
3230小山知良日本郵便 HondaDream TPホンダCBR600RRBS4.253
41岡本裕生51ガレージニトロレーシングヤマハYZF-R6BS4.921
56南本宗一郎AKENO SPEED・YAMAHAヤマハYZF-R6BS8.486
669中村竜也RS-ITOH&AUTOBOYカワサキZX-6RBS16.555
797佐野優人BATTLE FACTORYホンダCBR600RRBS17.030
864伊達悠太BATTLE FACTORY & KIMA RacingホンダCBR600RRBS22.871
9420亀井駿日本郵便 HondaDream TPホンダCBR600RRBS23.061
1013杉山優輝MOTO BUM HONDAホンダCBR600RRBS23.242
1112古山颯太伊藤レーシングBORG カスタムヤマハYZF-R6BS24.897
1254荒川晃大MOTO BUM HONDAホンダCBR600RRBS25.323
1398佐野勝人チーム阪神ライディングスクールカワサキZX-6RBS28.930
1439和田留佳will-raise racingRS-ITOHカワサキZX-6RBS29.008
1555國峰啄磨日本郵便 HondaDream TPホンダCBR600RRBS29.487
1640菅原陸保険職人GBSレーシングYAMAHAヤマハYZF-R6BS29.610
1748横山尚太ガレージL8 Racing TeamヤマハYZF-R6BS30.179
1851関野海斗51ガレージニトロレーシングヤマハYZF-R6BS30.950
1941田所隼Honda Suzuka Racing TeamホンダCBR600RRBS32.368
2045長尾健史TEAMけんけん with BEEヤマハYZF-R6BS34.430
2122中山耀介TEAM SHOTAヤマハYZF-R6BS41.334
22090斉藤魁au・テルル MotoUP RTホンダCBR600RRBS41.451
2353家根谷大晟Team MF & KawasakiカワサキZX-6RBS44.872
2447鈴木光来ENDLESS TEAM SHANTIホンダCBR600RRBS46.096
2546中島元気Honda浜友会浜松エスカルゴホンダCBR600RRBS46.771
2628松川泰宏MOTO BUM+SAIホンダCBR600RRBS51.330
2788名越公助TEAM PLUSONE with TAROヤマハYZF-R6BS51.762
28340岡村光矩KRP三陽工業&RS-ITOHカワサキZX-6RBS53.401
14行村和樹Kohara Racing TeamホンダCBR600RRBS12Laps(リタイア)
71上原大輝SDG Mistresa RT HARC-PRO.ホンダCBR600RRBS19Laps(リタイア)


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