記録から紐解く、スーパーGTの“サーキット別マイスター”は誰だ。【富士スピードウェイ編】

2021年7月2日(金)11時50分 AUTOSPORT web

 2021年シーズンは国内6ヵ所のサーキットで8戦が開催されるスーパーGT。ここではGT500、GT300両クラスの各ドライバーのポールポジション記録、優勝記録から、サーキット別最多PP獲得ドライバー、最多優勝ドライバーは誰なのかを紐解いていきたいと思う。


 第2回目となる今回は2021年シーズン第2戦、そして第8戦の舞台となる富士スピードウェイだ。これまでに開催された2005年から2021年第2戦までの公式戦に加え、2010年から2013年まで開催されたノンタイトル戦『富士スプリントカップ』を含めた全42レースの記録から“富士マイスター”は誰なのかを解き明かしてみよう。


* * * * * * *


 まずは、各大会における最速の称号となるポールポジションの記録だが、第1回で取り上げた岡山国際サーキットとは違い、GT500、GT300クラスともに突出した回数を記録したドライバーがいるが特徴だ。それぞれのクラスの内訳を見ていこう。


 岡山のGT500クラス最多ポール記録は立川祐路、ロニー・クインタレッリの6回となっている。


 なお、GT500通算最多ポールポジションを誇る立川祐路は、JGTC全日本GT選手権からの通算で見ると24回のポールを獲得しているが、うち半数となる12回を富士スピードウェイで獲得しており、GT500デビューから25年を通して“富士マイスター”と呼ぶに相応しい活躍を見せていることがわかる。


 メーカー別のポールポジション回数はトヨタ/レクサスが20回、ホンダが13回、ニッサンが9回と、富士をホームコースとするトヨタ/レクサスが抜き出ているかたちだ。


■GT500クラス ポールポジション獲得回数ランキング(編集部集計)























































































































Pos.P.PDriver
16立川祐路
16ロニー・クインタレッリ
23大嶋和也
23J.P.デ・オリベイラ
32ロイック・デュバル
32小暮卓史
32松田次生
32石浦宏明
41中嶋一貴
41野尻智紀
41アンドレ・ロッテラー
41ブノワ・トレルイエ
41金石年弘
41本山哲
41リチャード・ライアン
41中山友貴
41山本尚貴
41塚越広大
41平川亮
41福住仁嶺
41山下健太
41宮田莉朋


 GT300クラス最多ポール記録は高木真一の7回で、他を圧倒している。なお、2番手には3回を記録した影山正美、佐々木孝太と、2021年シーズンはレギュラー参戦がないベテランドライバーが続いた。


 2回を記録して3位には新田守男、谷口信輝、平中克幸といったベテラン勢とともに、フル参戦初年度であった2020年に2回のポールポジションを獲得した小高一斗の名が並んでいる。


■GT300クラス ポールポジション獲得回数ランキング(編集部集計)
















































































































































Pos.P.PDriver
17高木真一
23影山正美
23佐々木孝太
32新田守男
32谷口信輝
32平中克幸
32小高一斗
41黒澤治樹
41細川慎弥
41加藤寛規
41大嶋和也
41マルコ・アピチェラ
41平手晃平
41カルロ・バンダム
41坂本祐也
41柳田真孝
41藤井誠暢
41佐々木大樹
41星野一樹
41ルーカス・オルドネス
41小林崇志
41坪井翔
41平峰一貴
41吉田広樹
41蒲生尚弥
41川合孝汰
41山内英輝


 続いて優勝記録を見てみよう。GT500クラスの最多優勝記録は立川の8勝。ポール記録こそ、クインタレッリと並んでいたものの、優勝回数は他を圧倒している。これが立川が“富士マイスター”と呼ばれる所以だろう。2番手には松田次生とクインタレッリのふたりが5勝で続く。2015年から立川とコンビを組む石浦宏明が4勝で現在3番手となる。


 メーカー別の優勝回数はトヨタ/レクサスが18勝、ニッサンが14勝、ホンダが10勝となる。これだけを見るとホンダの勝率は低いと感じるが、2020年から2021年第2戦までに富士で開催された5戦中3勝をマークしている。FR(フロント​エンジン・リヤドライブ)化したホンダNSX-GTは、富士で着々と優勝を重ねてきているため、ホンダがニッサンの記録に並ぶ日はそう遠くないのかもしれない。


■GT500クラス 優勝獲得回数ランキング(編集部集計)












































































































































































































Pos.WinDriver
18立川祐路
25松田次生
25ロニー・クインタレッリ
34石浦宏明
43本山哲
43リチャード・ライアン
43塚越広大
43大嶋和也
43J.P・デ・オリベイラ
52ロイック・デュバル
52伊沢拓也
52中嶋一貴
52安田裕信
52山本尚貴
52高木虎之介
52ブノワ・トレルイエ
52平手晃平
52ベルトラン・バゲット
61服部尚貴
61ラルフ・ファーマン
61伊藤大輔
61脇阪寿一
61佐々木大樹
61野尻智紀
61平川亮
61ヘイキ・コバライネン
61ピーター・ダンブレック
61武藤英紀
61ファビオ・カルボーン
61セバスチャン・フィリップ
61ジェームス・ロシター
61F.マコヴィッキィ
61ミハエル・クルム
61小林崇志
61関口雄飛
61山下健太
61ニック・キャシディ
61中山雄一
61牧野任祐


 GT300クラスの最多優勝記録は、最多ポールも記録している高木真一の8勝だ。ポール、優勝記録ともにトップの高木はGT300クラスにおける“富士マイスター”と呼ぶことができるだろう。しかし、優勝記録に関して言えば、7勝で谷口信輝が2番手に続いている。谷口はポール記録こそ高木との差が5回と開いていたものの、優勝記録は高木の背後に続いているかたちだ。


 3番手には新田守男、そして2021年シーズンはWEC世界耐久選手権とスーパー耐久に参戦する藤井誠暢が4勝で続いている。


 富士スピードウェイでの次戦は11月27〜28日に開催される2021年シーズンの最終戦(第8戦)となる。立川、高木の現“富士マイスター”たちがさらに記録を伸ばすのか。クインタレッリ、谷口のふたりが記録を伸ばし、新たな“富士マイスター”に名乗りを上げるのか。“記録との戦い”という観点からも興味深い一戦となりそうだ。


■GT300クラス 優勝獲得回数ランキング(編集部集計)
































































































































































































































Pos.WinDriver
18高木真一
27谷口信輝
34新田守男
34藤井誠暢
43片岡龍也
43S.ウォーキンショー
52黒澤治樹
52井口卓人
52平中克幸
52影山正美
52番場琢
52吉本大樹
52加藤寛規
52吉田広樹
52藤波清斗
52細川慎弥
52ドミニク・ファーンバッハー
52小林崇志
52川合孝汰
61柴原眞介
61平手晃平
61青木孝行
61田中哲也
61佐々木大樹
61佐々木孝太
61アンドレ・クート
61星野一樹
61中山雄一
61高橋翼
61八木宏之
61国本京佑
61国本雄資
61嵯峨宏紀
61井口卓人
61千代勝正
61ヤン・マーデンボロー
61坪井翔
61安田裕信
61アンドレ・クート
61柳田真孝
61J.P.デ・オリベイラ
61河野駿佑
61富田竜一郎


2021スーパーGT第2戦富士 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)
2021スーパーGT第2戦富士 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)

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