トヨタ、1-3維持したまま最終日へ。豊田章男代表代行「エルフィンがチームに大きな力を与えてくれた」

2023年8月6日(日)13時10分 AUTOSPORT web

 2023年WRC世界ラリー選手権第9戦『ラリー・フィンランド』は、8月5日(土)に競技3日目のデイ3が行われた。TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は前日に引き続きエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合3番手、スポット参戦しているヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合5番手につけている。


 TGR-WRTにとっての“ホームラリー”は競技3日目も雨模様。午後には天候が回復し青空も広がったが、ユバスキュラの南西エリアに設定されたステージの路面は全体的に湿った状態となった。


 SS11〜18の計8SS、距離にして160.68kmで争われた今大会最長の一日をラリーリーダーとして迎えたエバンスは、難しいコンディションとなったハイスピード・グラベル(未舗装路)ステージで朝から速さを発揮。午前中の4本のステージすべてでベストタイムを記録し、総合2番手につけるティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に対するリードを6.9秒から、17.7秒にまで拡大した。


 さらに、日中のサービスを挟んで行われた午後の再走ステージでもエバンスの勢いは止まらず、3ステージ連続でベストタイムを記録してみせる。これにより彼はデイ3の全8ステージのうち、7ステージでベストタイムを記録することとなり、後続に対して32.1秒という大きなリードを築いて最終日に残る4つのSSを迎えることとなっている。


 デイ2終了時点でヌービルと9.5秒差の総合3番手につけていた勝田は、午前中2本目のSS12でスピン。約15秒を失い総合4番手に後退する。しかし、その後3ステージ連続で3番手タイムを記録するなど攻めの走りを続けた勝田は、SS15でテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)を逆転し、3番手のポジションを取り戻す。


 続くSS16では0.3秒差でふたたび順位が入れ替わったが、0.1秒で迎えたデイ3最終のSS18では渾身の走りで今大会2度目となるベストタイムを記録し、スニネンに6.4秒差をつけて総合3位に復帰した。

低空飛行の撮影用ヘリに追尾されるトヨタGRヤリス・ラリー1(勝田貴元/アーロン・ジョンストン組) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド
総合首位のエルフィン・エバンス(左)と総合3番手につけている勝田貴元(右) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド


■ドライバーたちが助け合いながら戦っていることを、誇りに思う


 2019年以来のラリー・フィンランド出場となるラトバラ“選手”は、競技3日目も非常に安定した走りを続け、総合5番手の座を維持している。


 なおデイ2で首位を走りながらも、SS8でマシンがロールするアクシデントに見舞われたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は既報のとおり、シャシーのダメージが大きくラリー期間中に修理をできないことから、ラリーからリタイアすることとなっている。


「残念ながらカッレ・(ロバンペラ)は今朝、再スタートすることができませんでしたが、エルフィン(・エバンス)の素晴らしい走りがチームに大きな力を与えてくれました」と語るのは、ラトバラ代表のドライバー復帰にともない今大会、チーム代表代行を務めている豊田章男TGR-WRT会長。


「ここフィンランドの道で、彼は自信を持ってクルマをドライブしていると思います。走れば走るほど自信が深まり、運転をより楽しめるようになっていく姿を見るのは、とても嬉しいことです」


「また、(勝田)貴元は一日を通して激しい戦いを続け、とくに最終ステージ(SS18)では良き友人であるカッレから、滑りやすいコンディションでの走りかたについてアドバイスを受けて走ったようです。私たちのドライバーがお互いを助け合いながら戦っていることを、とても誇りに思います」


「ヤリ-マティ(・ラトバラ)はステージ走行後のインタビューでたくさんお喋りしていますが、それは彼がラリーを楽しんでいるということなのでいいと思いますし、彼の笑顔を見ると私も楽しくなります」


 ラリー・フィンランドの競技最終日となる8月6日(日)は、前日に続きサービスパークの南西エリアが戦いの舞台となる。このデイ4は2本のステージをミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行する。このうち、SS19/21“モクシ-サーロイネン”は昨年大会の逆走ステージとなり、SS20の再走となる最終のSS22“ヒモス-ヤムサ2”は、ステージトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられるパワーステージとなっている。SS19〜22の合計距離は51.64km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は309.61kmだ。

ヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド
WRCで走れる喜びからか、ステージ走行後のインタビューが長めになっているヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド
エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド

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