波乱のレース展開。A.エスパルガロが最終ラップでバニャイアを下し、優勝を飾る/第9戦イギリスGP

2023年8月6日(日)22時7分 AUTOSPORT web

 MotoGP第9戦イギリスGPの決勝レースがシルバーストン・サーキットで行われ、MotoGPクラスはレース中に雨が降り始める難しいコンディションとなるなか、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)がフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)を最終ラップにオーバーテイクして、優勝した。


 土曜日は雨に見舞われたシルバーストン・サーキットだったが、日曜日は雲が残るものの天候は回復し、気温18度、路面温度31度のドライコンディションで決勝レースが行われた。


 ホールショットを奪ったのはジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)だった。2番手はマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)、3番手はフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)。4番手がスプリントレースで優勝したアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)で、5番手はマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)が続く。


 2周目、バニャイアがベゼッチをかわして2番手に浮上すると、さらにミラーをオーバーテイク。バニャイアがトップに立った。ベゼッチもミラーをパスして2番手に浮上すると、バニャイアを追う。


 バニャイアとベゼッチのふたりは後方を引き離していき、トップ争いはドゥカティ・レノボ・チーム同士の争いとなった。その約1秒後方には3番手にポジションを上げたアレックス・マルケス。しかし、アレックス・マルケスはトラブルが発生したとみられ、6周目にピットに戻っている。アレックス・マルケスは1周目にバニャイアと接触していた。アレックス・マルケスに代わって、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が3番手に浮上する。


 バニャイアの後ろで2番手を走っていたベゼッチだが、7周目の15コーナーでクラッシュ。ベゼッチがリタイアとなったことでバニャイアの0.5秒後ろを走るアレイシ・エスパルガロが2番手に浮上した。


 アレイシ・エスパルガロは安定したペースを刻みながら、バニャイアとの差を詰めていく。また、アレイシ・エスパルガロの約2秒後方では、ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)とマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)が3番手争いを展開していた。ビニャーレスは10周目にビンダーをオーバーテイクし、3番手に浮上する。レース中盤、トップはバニャイア、2番手がアレイシ・エスパルガロ、3番手がビニャーレスというトップ3となった。


 しかし13周目、雨が落ちてきたことを知らせるレッドクロスのフラッグとともに、ホワイトフラッグが振られる。ホワイトフラッグによって、ライダーは適宜、ピットインをしてコンディションに合わせたタイヤを装着したマシンの乗り換えを行うことが可能となった。つまり、この場合は全ライダーがスリックタイヤを履いているため、コンディション次第ではレインタイヤを履いたマシンへの乗り換えが可能、という状況である。


 コンディションの変化により、トップ争いは一気に接戦となった。バニャイア、アレイシ・エスパルガロ、ビニャーレス、そしてビンダーの4台による混戦。トップはバニャイアがキープしていたが、状況は予断を許さない。


 16周目、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(グレシーニ・レーシングMotoGP)などのライダーがピットイン、マシンの乗り換えを行う。トップ集団は依然として接戦。バニャイアはややギャップを保ってレースをリードしていた。


 残り3周、トップはバニャイア、2番手はアレイシ・エスパルガロ。そして3番手には、後方から追い上げてきたミゲール・オリベイラ(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)が浮上していた。


 トップのバニャイア、2番手のアレイシ・エスパルガロ、3番手の、オリベイラ、4番手のビンダーはほぼ集団のまま最終ラップに入った。レース中継のカメラにつく雨粒が確認できるコンディションではあったが、トップ集団はスリックタイヤのまま激しいバトルを展開し続けていた。


 最終ラップ、ビンダーがオリベイラをかわして3番手に浮上する。そして、アレイシ・エスパルガロが、バニャイアをとらえた。バニャイアもアレイシ・エスパルガロからトップを奪い返そうとすきをうかがうが、アレイシ・エスパルガロは耐えきった。最終コーナーをトップで立ち上がり、そしてチェッカーを受けたのである。


 アレイシ・エスパルガロは、MotoGPクラスで2勝目を飾った。バニャイアは2位に甘んじる結果となった。3位にはビンダーが入っている。MotoGPライダーたちが続々とゴールした時、その頭上の空には青空が見えていた。非常にトリッキーなコンディションのレースであった。


 4位は一時、3番手にまで浮上したオリベイラ。5位はビニャーレスで、トップ5のうち3人がアプリリアライダーだった。これはつまり、トップ5に入ったドゥカティライダーがバニャイアただひとりということでもあった。


 ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)はレース終盤にルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシングチーム)と接触してフロントカウルを失い、ピットインをして再びレースに復帰。15位だった。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は転倒リタイア。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は16位でゴールした。

アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)/2023MotoGP第9戦イギリスGP

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