スーパーGT参戦のFIA-GT3車両について車室の換気口設置の特別措置を実施へ

2021年8月10日(火)15時13分 AUTOSPORT web

 スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、8月6日付けで発行したブルテンNo.033-Sの中で、2021年のGT300クラスに参戦するFIA-GT3車両について、高気温、高湿度下における熱中症予防の観点から、8月21〜22日の第3戦鈴鹿から10月23〜24日の第6戦オートポリスまでの間、車室に換気口の設置を認める特別措置を実施すると発表した。


 多様な車種が参戦するGT300クラスでは、チームが車両を製作するGTA-GT300、GT300マザーシャシーを使って車両を製作するGTA-GT300 MC、そしてSROモータースポーツ・グループの参加条件に従い参戦できるFIA-GT3の3タイプが存在する。


 そのうちGTA-GT300、GT300 MCについては、7月2日に発表されたブルテンNo.028-Sで、車室ではないが放熱を目的としてボンネット(エンジンフード含む)、リヤハッチゲート、およびトランクリッドの開口についてルーバーやリップの追加が認められていたが、FIA-GT3車両は適用される規定上、車両への改造は認められていなかった。


 8月6日付けでGTAが発表した今回の特別措置では、FIA-GT3車両について、ドライバーの熱中症予防の観点から車室内への換気口を設置できることになった。GT3車両はグローバルで活用されており、基本的にはどのシリーズでも改造は施せないのがほとんど。今回は異例の措置とも言えるだろう。


 今回発表されたブルテンによれば、特別措置の規定は下記のとおりだ。


1. 車室の換気用開口部を運転席および助手席のドアウインドウに設置することが許されるが、追加された開口部の面積は該当するウインドウ面積の15%を超えてはならない。運転席および助手席のドアウインドウに設置する開口部の形状は自由。


2. ウインドウガラスの外側面上に、外側面から垂直に計測した突出量が最大で50mmまでのエアスクープを設置することができる。


 GT3車両ではエアコンが多くの車両で装着されているが、車種によって購入時のオプション扱いで装着されていなかったり、エアコンの効きが悪かったりすることもあり、ドライバーがクールスーツを選択することも多い。ただクールスーツも接続などの面で万全ではなく、第4戦もてぎでは複数のドライバーがレース後熱中症でメディカルに搬送されている。


 今回の特別措置により、左右のドアウインドウから外気を取り入れられるようになり、車室内の温度低下に効果が生まれそうだ。

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