初ポール獲得のバッバ・ウォレスを降し、ケビン・ハーヴィックが実に65戦ぶりの勝利/NASCAR第23戦

2022年8月10日(水)17時55分 AUTOSPORT web

 レギュラーシーズンも終盤戦を迎えた2022年NASCARカップシリーズ第23戦『FireKeepers Casino 400』が8月6〜7日にミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催され、2020年9月のブリストル戦以来、実に65戦も勝利から見放されていたケビン・ハーヴィック(スチュワート-ハース・レーシング/フォード・マスタング)が、キャリア初ポール獲得のダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)を降して今季15人目のウイナーに。この結果、プレーオフのカットライン以下だったポイントランキングでも、暫定9位と進出圏内に浮上している。


 ミシガンでの週末に向けシボレー陣営のリチャード・チルドレス・レーシングは、現在エクスフィニティ・シリーズやキャンピング・ワールド・トラック・シリーズを主戦場とする28歳のオースティン・ヒルをカップ・デビューさせると発表し、一方の23XIレーシングも、ここ2戦でカート・ブッシュの代役を務めてきたジョー・ギブス代表の孫、タイ・ギブスの継続起用をアナウンスした。


 こうして始まった最初のプラクティスでは、ここ数戦のレース展開を踏まえ「チームを覆っている暗い雲を見れば、俺たちは何度も間違った場所に、間違ったタイミングでいたようだ」と語ったカイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)がまずは最速をマーク。


 2番手以下もウォレス、デニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)、ギブス、そしてマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)とカムリ勢がトップ5を占め、午後の予選に期待を抱かせる展開に。


 するとセッション最終走者として登場したウォレスが平均190.703マイル(37.755秒)の最速タイムを叩き出し、自身のカップ戦キャリア初ポールを獲得したのみならず、新興23XIレーシングの歴史上でもチーム初ポールをもたらしてみせた。


「そろそろ時間だ。最初のポールを獲得するのに5年も掛かったんだからね」と笑みを浮かべたウォレス。「これは23XIのすべてのメンバーに対するハードワークの証であり、素晴らしい仕事をして来た証明だ。ここまでその努力に値するフィニッシュを達成して来れなかったが、皆でそれをやり遂げたことを誇りに思っている」


「だが本当の仕事は明日であり、それはまったく異なる競技であることを僕らは知っている。だから、スピードがある日にこうしてポールを獲得でき、我々にとっては良いスタート地点だが、リセットして明日の準備をしなければね」

カップシリーズ5年目にして、自身初のポール獲得となったダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)
引き続き好調、今季“台風の目“ことロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)は、再び決勝でアクシデントの引き金に
決勝はレインシャワーによるディレイを経ての勝負となった
クリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)やカイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)らを含め、スタートからトヨタ勢が隊列を率いる


■最後のコーションで優位に立ったハーヴィックが快勝


 迎えた日曜決勝はスタートから2番手クリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)、3番手カイルと陣営内の護衛を引き連れてリードを維持したウォレスだったが、25周目のターン2ではそのカイルを筆頭にギブスやオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)ら9台が絡む“ビッグワン”が発生する。


 この混乱を経てベルとハムリンが1-2でステージ1を獲り、そのままステージ2でも編隊走行でレースを支配していく。そのままステージ2もハムリンが制し、今日は誰もが“トヨタの日”だと感じたファイナルステージ。


 2番手を走行中だったベルは、タイヤ交換を終えたロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)と遭遇し、背後からターン4のアウト側へ出ようとしたシボレーのプッシングを受けカムリはアウト側のウォールへ激突。これが引き金となり、160周目にこの日最後のコーションとなる。


 一方、レースを通じて38周のリードラップを刻んだハムリンも、最後のピットストップでタイヤ交換に手間取り、タイヤ回収に向かうべくウォールを越えたクルーの人数が多すぎたとして安全違反のペナルティを受け、隊列の後方から最後のリスタートを強いられることに。


 これで俄然、優位に立ったのがコーションを前に最後のピット作業を終えていたハーヴィックで、リスタート以降ライバル陣営がピットレーンへと降っていくのを尻目にリードを継承。残り38周を快走した46歳のベテランが2.9秒のマージンでトップチェッカーをくぐった。


「確かにちょうどいいタイミングだった。ここ数週間、僕らはいくつかの良い走りを見せ、ポコノでもクルマは良く走ってくれたが、運に見放されたからね」とひさびさ勝利の喜びを語ったハーヴィック。


「このNext-Genマスタングをより速く走らせるため、僕らが持っているものを最大限に活用し、1年を通じて掘り下げて来た。必要なことを実行し、良い仕事をしたスチュワート・ハース・レーシングの全員を本当に誇りに思っているよ」


 土曜に併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第21戦は、最終ステージを支配したタイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・スープラ)が今季5勝目を挙げ、その勢いを維持した日曜のカップ戦では、最後のピットでスピード違反のペナルティを受けながらもトップ10までカムバックし、カートの代理を務めるここ3戦で最高位フィニッシュを獲得している。

序盤に発生した“ビッグワン“の犠牲となったオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)
リードラップこそなかったものの、マーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)は6位フィニッシュ
「僕らを疑った人は、誰も僕らの本当のことを知らないんだ」と、勝者ケビン・ハーヴィック(スチュワート-ハース・レーシング/フォード・マスタング)
カップでも初のトップ10入りを決めたタイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・スープラ)が、エクスフィニティで今季5勝目を飾る

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