トヨタ、『GR010ハイブリッド』でル・マン24時間へ挑む「今年こそ勝利できると思っている」と小林可夢偉

2021年8月13日(金)18時23分 AUTOSPORT web

 TOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)はル・マン覇者としての防衛と、ハイパーカーでの歴史を作るべく、8月21日(土)から22日(日)にかけて決勝レースが行われるWEC世界耐久選手権2021年第4戦/第89回ル・マン24時間レースに挑む。


 TGRはTS050ハイブリッドとともに、2018年の初勝利以来、ル・マンを3連覇しており、今年は新たなル・マン・ハイパーカー『GR010ハイブリッド』で初めてサルト・サーキットに挑み、チームの連勝記録を伸ばすとともに、ハイパーカーでのル・マン初勝利を目指している。


 7号車GR010ハイブリッドをドライブする、世界チャンピオンのマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスにとって、ここ数年のル・マンは厳しい戦いだった。


 とくに2019年と2020年は、車両トラブルに見舞われるまではレースを支配する強さを見せており、今年こそ、の思いとともに前戦モンツァ6時間レース勝利の勢いに乗り、シーズン最大のイベントに挑むことになる。


 2018年、TGRに初のル・マン勝利をもたらしたセバスチャン・ブエミ中嶋一貴は翌年のル・マンも制し、そして昨年はブレンドン・ハートレーとのトリオで3連覇という輝かしい記録を達成している。


 この8号車の3名は、2021シーズン開幕戦のスパ6時間と、続く第2戦ポルティマオ8時間レースを制し、ドライバーズ選手権首位でル・マンを迎える。


 ル・マン24時間レースは、全6戦で構成されるWECの一戦だが、通常の倍の選手権ポイントが与えられるため、タイトル争いにおいても重要なレースとなる。


 TGRは、今季3戦を終えた時点で、チームタイトル争いで2位のアルピーヌに30点差の首位に立っており、ドライバーズタイトル争いでは、8号車のドライバーが、チームメイトである7号車のドライバーに対し6点差でリードしている状況だ。

2021年のWEC開幕2戦を制し、ランキング首位でル・マンを迎える8号車勢


「ル・マンに参戦できることは大変名誉であり、また3連覇のタイトルを持って再びここに戻って来られることを誇りに思っています」と村田久武チーム代表は述べている。


「ハイパーカーで初のル・マン・ウイナーとして、さらに連勝記録を伸ばせるよう、我々は全力を尽くしてきていますし、また、ル・マンで勝つことを常に目標に、エンジニアとメカニックはドライバーと連携しながらここまで車両を仕上げてきました」


「今シーズンはここまで、ハイパーカーのライバルたちと激しい戦いを繰り広げている上、GR010ハイブリッドにとって初のル・マンでもありますので、当然簡単なレースにはなりませんし、技術的にも大きなチャレンジと言えるでしょう」


「ファンの皆様がサーキットに戻ってきて、あの特別な雰囲気に包まれたル・マンが帰ってくることを大変楽しみにしています。有観客でのレース開催を実現いただいたACOの皆様へ深く感謝するとともに、今回のル・マンが、ファンの皆様の記憶に残る素晴らしいレースになると確信しています」


■「もう過去は振り返らない」とホセ・マリア・ロペス


 ル・マンでの走行は、15日(日)に予定されるテストデーのセッションから始まる。その後、レースウイークのプラクティス・セッションは18日(水)から開始され、TGRは19日(木)の“ハイパーポール”で、5年連続のポールポジション獲得を目指す。


 決勝レースは21日(土)の現地時間16時(日本時間23時)、5万人に制限された観客が見守るなかでスタートが切られる予定だ。


 TOYOTA GAZOO Racing WECチームからエントリーする6人のドライバーのル・マン24時間レースに向けたコメントは、以下の通り。


■7号車トヨタGR010ハイブリッド


●小林可夢偉


「ル・マンはシーズンハイライトですし、そのために努力してきているので、毎年楽しみなイベントです」


「ル・マンを走るのは素晴らしい経験で、特に予選は新しいタイヤと軽い燃料で走ることができるため、最高です。私自身、3度のポールポジションを獲得していますが、もちろん最大の目標はレースに勝つことです」


「過去数年のレースで7号車は本当に強かったのですが、いつも何かが起き、最後までノートラブルで走り切っていません。だからこそ、今年はトラブル無くパーフェクトなレースへ向けてプッシュし続けます」


「我々はレースに向けて集中していて、今年こそ勝利できると思っています」


●マイク・コンウェイ


「シーズン1年を通してのハードワークは、すべてこのレースのためであり、GR010ハイブリッドでの走行が待ちきれない」


「近年のル・マンはスプリントレースのようになってきており、24時間ずっと、可能な限り全力で走り、レースをコントロールしなくてはならない」


「これまでの経験から、さまざまな要素が絡んでくることは分かっているし、我々7号車は過去不運に見舞われたこともあった。しかしドライバーとしてル・マンへの取り組み方は変わらない。過去と同様、一生懸命レースへ向けて、できるすべての準備を進めていく」


「そして最後に、勝利の女神が我々に微笑んでくれることを願うだけだ」


●ホセ・マリア・ロペス


「我々は辛い戦いを経て、強くなったと思うし、それが7号車をル・マンでの勝利へ導いてくれると信じている」


「もう過去は振り返らず、来るレースを楽しみにしているし、チームとして、ドライバーとして、常に向上を目指している」


「マイク、可夢偉、そしてエンジニアやメカニックとはまるで家族のようで、我々全員がル・マンでの勝利という、同じ目標に向かっている。チームとしてこれまでで最高の状態だと感じているし、何をすべきかも分かっている」


「ル・マンは決して簡単なレースではなく、今年も間違いなく厳しい戦いになると思うが、全力を尽くす」

7号車GR010ハイブリッドをドライブする(左から)ホセ・マリア・ロペス、小林可夢偉、マイク・コンウェイ


■■8号車トヨタGR010ハイブリッド


●中嶋一貴


「ル・マンの雰囲気は信じられないほど素晴らしいです。初めてル・マンで戦った2012年、ファンの歓声と情熱に圧倒されました。昨年は残念ながら無観客での開催だったので、今年、観客が戻ってくるのは嬉しいです」


「ル・マンが世界一チャレンジングなレースだということは、経験からとても良く分かっていて、何が起こっても不思議ではありません。我々はGR010ハイブリッドとともに、初のハイパーカー勝者となるべく、全力で挑みます」


「自分のすべきこと全てに集中し、運も味方してくれることを祈ります。予想はまったくできませんが、表彰台の中央に立つためすべてを尽くします」


●セバスチャン・ブエミ


「ル・マンは私にとって特別な場所であり、特別なレースだ。1960年代には私の祖父がレースをしていたと聞いたことがあり、家族の一部のような親しみを感じている」


「子供の頃、ジュネーブモーターショーに行って、トヨタTS020と一緒に写真を撮ってもらったことを覚えている。その時は、私自身がル・マン3度のウイナーとしてここにいることになるとは、想像もできなかった」


「今年もまた新たな挑戦の機会を得られたことを嬉しく思っているが、新しいクルマと、強力なライバルにより、大変な挑戦になることは間違いない。勝つために何が必要かは明白であり、着実に走行プランをこなし、ミス無く走りきること。あとは日曜日の結果を待つだけだ」


●ブレンドン・ハートレー


「初めて訪れた瞬間からル・マンが大好きになった。雰囲気は最高だし、ひとつの目標に向かって全員で協力し合う、そのチームの一員として働けることも楽しんでいる」


「すべてのエンジニアとメカニックが懸命な努力をしており、ドライバーも一緒に協力し合って情報を共有している。成功のためには、ひとつの大きなチームとして動く必要があり、新型のGR010ハイブリッドでこの偉大なレースに挑むために我々はそれをやってきた」


「皆がル・マンでの勝利を夢見てこの地にやってくる。その最高のチャンスをつかむために、これからの1週間でやるべきことがたくさんある」

8号車GR010ハイブリッドをドライブする中嶋一貴とブレンドン・ハートレー

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