「ベッテルとフェラーリの“離婚”を見るのはつらい」とF1ボスのブラウン

2020年8月20日(木)17時43分 AUTOSPORT web

 F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、フェラーリとセバスチャン・ベッテルの関係がぎくしゃくしつつある様子を見るのは非常につらいと語った。


 フェラーリのテクニカルディレクター、ホンダ、ブラウンGPおよびメルセデスのチーム代表をかつて務めた経験を持つブラウンは、袂を分かつことが決まったチームとドライバーの関係が非常に難しいものになることは、経験からよく知っているという。


 フェラーリはベッテルとの契約を2021年以降更新しないことを5月の段階で発表。今シーズンのマシンのパフォーマンス不足もあり、ベッテルは成績が振るわず、チームとの連携もうまく取れていないように見える。

2020年F1第6戦スペインGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

「セバスチャンとフェラーリの今の様子を見るのはつらい。両者はこの関係が終わりに近づいていることを意識している」とブラウンはスペインGP後のコラムに記している。


「離婚の書類はできたものの、離婚が成立していない、そういう時期にいる。非常に厄介だ」


「チームとドライバーのケミストリーはきわめて重要な要素である。ひとりひとりがチームに属しており、チームとして成功し、チームとして失敗する。そのダイナミクスを管理することはチームにとって大きなチャレンジだ」


 最近、無線でベッテルの苛立ちが露になることがしばしばある。ブラウンは、離脱が決まった後のドライバーとうまく付き合うことは、チームにとって非常に難しい仕事であると語った。


「ドライバーに対して『もう必要ない』と言った後、チームはこれ以上ないほど困難な時期を過ごすことになる」


「ドライバーはチームに必要とされていないことを知る。そうなると亀裂があっという間に現れる。それをうまく管理できるかどうかはチームにかかっているのだ。私自身、痛みを伴う経験をしており、そういう状況にいるドライバーを扱うのがかなり困難であることはよく知っている」


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