【速報】元GPライダー青木拓磨がアジアクロスカントリーラリー初優勝。不屈の挑戦、14度目で結実

2023年8月20日(日)1時5分 AUTOSPORT web

 8月18日(土)、AXCRアジアクロスカントリーラリー2023の競技最終日レグ6が、ラオスのパクセーを拠点に行われ、TOYOTA GAZOO Racingインドネシアの105号車トヨタ・フォーチュナーを駆る青木拓磨組が総合優勝を飾った。


 首位で最終日を迎え、そのままポジションを守った青木/イッティポン・シマラックス/ソンウット・ダンピファトランクーン組に続き、チームメイトのトゥバグス・モレンシャディ組(121号車トヨタ・フォーチュナー)も総合2番手を維持してラリーを完走したため、TGRインドネシアは今大会でワン・ツー・フィニッシュを達成している。


■初日はトラブルとミスコース、さらにはペナルティで総合28番手


 今年で28回目の開催を数えるAXCRは、“アセアン”と呼ばれる東南アジア地域最大級のFIA国際自動車連盟公認クロスカントリーラリーだ。元GPライダーである青木は、バイクのテスト中の事故で下半身不随となった後、四輪に転向。現在は車椅子レーサーとして四輪レースやラリー競技で活躍している。AXCRへの初参戦は2007年。以来17年間、都合14回にわたって挑戦を続け、2011年には総合3位を獲得した。また、昨年も総合4位に食い込んでいる。


 迎えた14回目のチャレンジは、前年に引き続きトヨタ・フォーチュナーでの参戦となったが、8月14日(月)の競技初日にいきなり試練が訪れる。タイのパタヤをスタートした105号車フォーチュナーは、このSS1で右フロントのドライブシャフトの破損に加え、タービンのインテークが外れてしまうトラブルに見舞われた。


 さらに、数多くのジャンクションを通過する複雑なコースを走行するなかでミスコースがあり、そのうえチーム三菱ラリーアートの田口勝彦/保井隆宏組(112号車ミツビシ・トライトン)と同様に、競技車同士の正面衝突事故で行く手を阻まれてしまい大きくタイムを失う。一日の最後には24分のタイムペナルティも受け総合28番手でレグ1を完走した。この時点でトップとのタイム差は1時間56分50秒と大差がつき、非常に厳しい幕開けとなった。


■SS2以降、安定した速さをみせた青木拓磨


 通常であれば、ここからの逆転勝利はまず不可能だ。しかし翌15日(火)に状況が一転する。


 ラリーの主催者が、競技初日に行われたSS1のコース設定に安全上の不備があったことを認め謝罪する一幕があり、同時にSS1のスタートからPC(パッセージコントロール)までの前半区間のタイム、およびペナルティを“無効”とする決定を下したのだ。


 これにより同区間での遅れと、それに起因するペナルティによって勝負権を失ったかに思われた青木にチャンスが巡ってきた。


 SS2を終えてトップと52秒差の総合3番手に“急浮上”した青木は、TGRインドネシアのフォーチュナー勢がステージタイム上位トップ3を独占したSS3後に総合首位に立ち、タイから国境を超えてラオスで行われたレグ4のSS4で2ステージ連続となる2番手タイムを記録して首位の座をキープする。


 さらに終盤戦のレグ5でも、総合2番手につけるチームメイトや同3番手の前年覇者チャヤポン・ヨーター(チーム三菱ラリーアート)を上回るSS3番手タイムを記録した青木。6分11秒のリードを持って迎えた最終日も順位を守り、最後は4分28秒差で優勝。悲願のアジアクロスカントリーラリー初勝利を達成した。


 前述のとおり、総合2位はTGRインドネシアのトゥバグス・モレンシャディ、3位には三菱自動車が技術支援を行いタイのタント・スポーツが走らせる新型ミツビシ・トライトンをドライブしたヨーターが入った。









































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