バンドーンが語る今季フォーミュラEの難しさと東京大会の戦い方。元チームメイトの野尻にも連絡

2025年5月17日(土)12時0分 AUTOSPORT web


 今年も大きな注目を集めているフォーミュラE東京E-Prix。有明地区の東京ビックサイト周辺に設けられた特設コースを舞台に、今年は土曜日・日曜日と2レース開催の日程となっている。


 さらに今季から導入された“ピットブースト”も採用され、土曜日の第8戦は35周で今シーズン3度目のピットブースト有りのレースとなり、日曜日の第9戦は通常通りピットブーストがないフォーマットで32周のレースが繰り広げられる。


 今季から導入された新フォーマットということで、各チームとも試行錯誤という段階のようだが、かつて日本のスーパーフォーミュラに参戦したこともあり、フォーミュラEのチャンピオン経験者でもあるストフェル・バンドーン(マセラッティMSC)は2度目の東京E-Prix攻略について、さまざまな角度から語った。



 今季はマセラッティMSGから参戦するバンドーン。2度目の東京開催に「週末は雨予報が出ていてどうなるか未知数だけど、とにかくここに戻ってこられて嬉しい」と、本人も今大会を楽しみにしている様子。


 バンドーンといえば、2016年にスーパーフォーミュラに参戦し、シーズン2勝を飾った。あれから長い年月があったが、来日した際に当時のDOCOMO TEAM DANDELION RACINGでチームメイトだった野尻智紀(現在はTEAM MUGEN)とテキストメッセージでやり取りしたという。


「ちょうど東京E-Prixでこっちに滞在していることを伝えると、連絡をくれたんだよ! 彼は今週末、オートポリス(大分県)でスーパーフォーミュラのレースだから、お互いに良い結果を残せることを願っているよ」とバンドーン。


 ちなみに彼が当時在籍していたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGは、今シーズン開幕4連勝と絶好調。そのことを伝えると、「それはスゴいね!」と驚いていた。


 話をフォーミュラEに戻し、改めて東京E-Prixの特徴について聞くと「すごくチャレンジなトラックだ」と即答するバンドーン。


「セクター1は低速でテクニカルだけど、セクター2とセクター3はハイスピードコーナーが多くて、ライン取りもチャレンジングだし、バンプも多い」と、現在のフォーミュラEカレンダーの中でも特徴的なコースだということがうかがえる。


 さらに今回は最終セクターのシケインがひとつ減り、公道から東京ビッグサイト敷地内に入るターン15からハイスピードコーナーのターン16を経て、最終シケインのターン17につながる。


 この変更点についてバンドーンは「あそこはすごく狭いから、オーバーテイクポイントにはならないだろう。だけど、エナジーセーブをしている場面になるとどうなるだろうか。そこは実際にやってみて……というところかもしれない」と慎重な姿勢をみせていた。


︎フォーミュラEのレースではエネルギーマネジメントがとにかく重要


 また、今年は新たにピットブーストが追加され、この東京大会では第8戦が35周でピットブーストあり、第9戦は32周でピットブーストがないというフォーマットになっている。ここまでもピットブーストありのレースは何度かあったが、レース中のマネジメントや戦略面でも、違いがあるという。


「ピットブーストありなし(ピットブーストがあるのとないので)少しスタイルは変わってくると思う。(ブースト有りの時は)ピットウインドウが大きいから、みんな異なるストラテジーを組んでくる」とバンドーン。


「あとはピットウインドウが開いている間はアクセルを積極的に使ってくるイメージがあるから、(ペースも)少し早くなる印象。いずれにしても、ストラテジーをどうするかが鍵になるから、ダイナミックな展開になって面白くなると思う」


 さらにバンドーンは、タイヤマネジメントについても語り、特にマネジメントが大変だという。


「今年のタイヤに関しては大きなトピックだ。発動する温度のウインドウがすごく狭くて、ウォームアップがいつも難しいなと感じる。だけど、レースに関しては安定している感じがあって、そこはすごく良いと思っている。逆にラップタイムを求める予選が難しい」


 こういったところも含めて、レースをどう組み立てていくのかも、今年のフォーミュラEを観る上での見どころになりそうだ。



2025年フォーミュラE マセラッティMSGレーシング

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