アルゼンチンの王者ペーニャが貫禄のTCR初優勝。プジョー308が完全制覇/TCR南米第6戦

2024年8月29日(木)12時44分 AUTOSPORT web

 最高峰『FIA TCRワールドツアー』との併催2連戦を終え、引き続きウルグアイのメルセデス・オートドロームで8月23〜25日に開催されたTCRサウスアメリカ・シリーズ第6戦は、レースウイークを通じて激しい暴風雨にさらされるなか、次期型の登場も噂されるプジョー308 TCR陣営が躍進。


 世界戦でクラス連勝を飾って選手権首位を行くペドロ・カルドソ(PMOレーシング/プジョー308 TCR)がレース1を制してそのリードを拡大すると、続くレース2ではシーズン途中から僚友を務めるTC2000“3冠“王者リオネル・ペーニャが、抜群のスタートを決めてTCR初優勝を飾っている。


 ブラジル、そしてウルグアイと続いて来た南米のリージョン選手権だが、この内陸部メルセデスでの週末を前に改めて第7戦の開催地をアナウンスし、カレンダー後半戦でアルゼンチン歴訪が続くその幕開けとして、国際トラックとして名高いサンフアン・ビリクムでの実施を確定させた。


 そんななか迎えた週末の予選セッションはQ1とQ2でまるで異なる条件となり、悪天候による赤旗中断も経験することに。パドックからは「最大の問題は、パルクフェルメ規制のためクルマのセットアップを変更できないこと」との声も挙がり「ドライセットアップでセッションを開始し、今はウエットタイヤで続けるしかない」との指摘も聞こえる難しいコンディションのなか、ラファエル・レイス(W2プロGP/クプラ・レオンVZ TCR)がポールポジションを獲得した。


「中古タイヤでとても速かったし、雨が降るとは思っていなかったよ」とQ1残り数分で雨が降り始めた状況に驚いたことを明かしたレイス。「これまでこのトラックで雨のレースをしたドライバーは誰もいなかったはずで、この結果には本当に満足している」


 迎えた日曜午前のレース1は、3列目6番手を確保していたラファエル鈴木(PMOレーシング/プジョー308 TCR)がエンジントラブルのため出走を見合わせるハプニングも発生するなか、まずはレイスがホールショットを決めていく。


 背後では新人のディエゴ・ノチェティ(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)がバリアに衝突しセーフティカー(SC)が介入。3周後のリスタートではノルベルト・フォンタナ(スクアドラ・マルティーノ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)と接触した余波か、ファビアン・シャナントゥオーニ(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)がスピンオフしポジションを落とす。

難しい条件の予選にて、ラファエル・レイス(W2プロGP/クプラ・レオンVZ TCR)がポールポジションを獲得
複数台のトヨタ・カローラGRS TCRとバトルを展開したノルベルト・フォンタナ(スクアドラ・マルティーノ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)
世界戦でクラス連勝を飾って選手権首位を行くペドロ・カルドソ(PMOレーシング/プジョー308 TCR)がレース1を制し、都合3連勝を達成


■リードを奪ったアルゼンチン覇者がレース2でTCR初勝利


 さらに僚友ファン-アンヘル・ロッソ(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)もエンジンから白煙を上げてマシンを止めるなか、7周目に首位レイスを攻撃したカルドソがコンタクトを伴いながらトップに浮上。フォンタナのコースオフで3番手に浮上した僚友ペーニャが、レイスの背後に迫っていく。


 しかしここで延長19周のチェッカーとなり、カルドソが前戦エル・ピナールから続く3連勝を達成。2位レイス、3位ペーニャの表彰台となった。


「今日のクルマも素晴らしかったし、こうして40kgの補償重量を積みながらレースに勝てるPMOレーシングの実力に深く感謝している」と喜びを語ったカルドソ。「チャンピオンシップのリードを広げることができてとてもうれしいね」


 続くレース2は、午前のクラッシュから自走でピット帰還を果たしていたノチェティのカローラがリバースポール発進となったが、ルーキーはこの蹴り出しで大きく遅れ、後続に飲み込まれてしまう。


 代わって背後からファン-マヌエル・カゼッラ(スクアドラ・マルティーノ/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)とロドリゴ・バプティスタ(スクアドラ・マルティーノ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)の新旧ホンダ2台を一気に仕留めたペーニャのプジョーがリードを奪っていく。


 そのままカゼッラに6秒差をつけたペーニャが独走態勢でチェッカーフラッグを受け、南米大陸で“最高峰のテクニカルシリーズ”と称するFFツーリングカー選手権に君臨するTC2000チャンピオンが、待望のTCR初勝利をマーク。3位にはライバルの脱落で浮上したカルドソが続き、2戦連続のダブルポディウムを完成させた。


「素晴らしいレースだった」と落ち着いて語ったアルゼンチン覇者ペーニャ。「ここ(メルセデス)での経験はあまりなかったが、スタートは良く、その後もペースが良かった。周囲の人たちや、私を信頼してくれたチームのために良い結果を出せたことをとてもうれしく思っているよ」


 これで選手権首位カルドソが、2位レイスに対し34点差までリードを拡大した2024年TCRサウスアメリカ。続く第7戦は前出のとおりサンフアン・ビリクムで開催され、ブエノスアイレス、テルマス・デ・リオ・オンド、そして最終戦ロサリオとアルゼンチン連戦が続いていく。

レース2のスタートで抜け出したTC2000“3冠”王者リオネル・ペーニャ(PMOレーシング/プジョー308 TCR)
背後のファン-マヌエル・カゼッラ(スクアドラ・マルティーノ/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が2位表彰台に
「周囲の人たちや、私を信頼してくれたチームのために良い結果を出せたことをとてもうれしく思っているよ」とレース2勝者のペーニャ


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