スーパーTC2000:大観衆のサンタフェ市街地戦はルノー・フルーエンスGTが2連勝

2017年9月8日(金)11時52分 AUTOSPORT web

 アルゼンチンの人気ツーリングカー選手権、スーパーTC2000の第8戦がサンタフェ市街地コースで開催され、ナイトレースとなった土曜の予選レースと、日曜のフューチャーレースともにファクンド・アルドゥソ(ルノー・フルーエンスGT)が制し、パーフェクトゲームを達成。前戦オベーラで連勝したリオネル・ペーニャに続き、ルノー・スポールが4連勝を飾った。


 チームメイトであり、前戦ウイナーのペーニャをフロントロウ2番手に従え、クオリファイレースに向けポールポジションを獲得したアルドゥソは、ナイトレースの照明が輝くなか、盤石のスタートを決めて1コーナーへ。

前夜祭ではサンタフェ市街地のトンネルや吊り橋をマシンがデモ走行。多くのファンが集結した


 しかし、そのオープニングラップでセカンドロウに並んでいたTOYOTA GAZOO Racing アルゼンティーナのマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラ)と、シボレーYPFクルーズに乗るベルナルド・リーバーが接触上等のバトルを展開。


 ロッシに押される形となったリーバーのシボレーは、ウォールに車体を擦り付けながらサイド・バイ・サイドとなり、後続車列が団子状態となり大混乱に。この影響でファビアン・シャナンツォーニ(プジョー・408)、アントニオ・ガルシア(プジョー・408)、ブルーノ・エトマン(トヨタ・カローラ)、そしてエミリアーノ・スパタロ(ルノー・フルーエンスGT)の、都合4台が巻き込まれるクラッシュに発展し、いきなりのセーフティカー(SC)導入となった。


 レース再開後は、先頭のアルドゥソが僚友ペーニャを引き離しにかかると、3番手のロッシ、4番手リーバー、そして5番手のトヨタ・カローラ、マティアス・ミラが先頭集団とのギャップを詰めようとペースアップ。


 3周目の1コーナーでミラがリーバーをかわし4番手に浮上すると、その後方6番手を走っていた同じくトヨタのガブリエル・ポンセ・デ・レオンも続けてリーバーのシボレーをオーバーテイク。

ナイトレースとなった土曜のクオリファイレースで2位のトヨタ、マティアス・ロッシは「シボレーのケアでギリギリだった」


 さらに5周目には、2番手ペーニャのフルーエンスが右リヤサスペンションの破損でストップし、ロッシ、ミラ、ポンセ・デ・レオンのトヨタ・トレインが首位のルノーを追いかける展開に。

首位を快走したルノー・フルーエンスGTだが「終盤はブレーキが厳しくなっていた。でもカローラも同じ問題を抱えていたみたいだね」
「今日の勝利はポールポジション獲得がカギになった」とファクンド・アルドゥソ


 レース中盤はこう着状態が続くなか、トヨタ軍団に先行されたリーバーは、その後もペースが上がらず後方から迫ってきたマリアーノ・ウェルナー(プジョー・408)に対し、徹底したディフェンスを迫られる。


 そして迎えた最終ラップに最後の波乱が巻き起こる。今季ここまでプライベーターながらつねにシングルフィニッシュを争う活躍を見せてきたダミアン・フィネンチ(フォード・フォーカス3セダン)が、ウォールに激しくクラッシュ。2度目のSC導入となり、レース距離3周延長の措置となったのだ。


 最後のスプリントとなったリスタートでは、2番手ロッシが首位のアルドゥソに激しくチャージを仕掛けると、その後方がまたも大混乱に陥る。


 ポンセ・デ・レオンのドライビングミスなどでポジションを回復していた4番手リーバーが、前を走るミラのカローラに追突。ふたりはともに大きくポジションを下げてしまう。


 その後も中段グループで接触に次ぐ接触のバトルが多発するなか、アルドゥソがロッシの猛攻をかわしきりなんとか27周のトップチェッカー。3位にディフェンディングチャンピオンのアグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)が入り、4位にWTCC世界ツーリングカー選手権ドライバーでもあるエステバン・グエリエリ(シトロエン・C4ラウンジ)が続いた。

王者アグスティン・カナピノは土曜の表彰台から日曜ポールポジションを獲得するも、チームメイトのベルナルド・リーバーに先行を許す


 明けた翌日日曜の正午過ぎ。今度はデイレースとなった決勝フューチャーレースは、ポールポジションを前日3位表彰台で勢いに乗るカナピノが獲得。フロントロウにトヨタのロッシ、セカンドロウにアルドゥソとペーニャのルノー2台が並んだ。


 スタートから後続を引き離しにかかった先頭2台は、軽くコンタクトを繰り返しながらバトルを続け、6周目のターン1でロッシがインにダイブ。週末初の首位浮上に成功する。


 しかし、後続のクラッシュでSCが導入されると、リスタート後にロッシのカローラには深刻なバイブレーションの問題が発生。カナピノやルノーの2台にかわされたのち、コントロールを失いクラッシュ。自らもSCの引き金となってしまう。


 この2度目のSC明けから順調にレースをリードしていたカナピノだが、残り4周に差し掛かった時点で彼のシボレーにも不運が襲い、フロントサスペンショントラブルでストップ。またもスポーティングレギュレーションにより、残り3周に延長されてレースはリスタート。


 これで労せずして首位を手にしたアルドゥソが、ペーニャを引き連れて連日のトップチェッカー。3位表彰台に、前日の無念を晴らしたリーバーのシボレーが入った。

日曜も13番グリッドから追い上げ6位でチェッカーを受けたエステバン・グエリエリだが、他車との接触ペナルティで8位に後退


 これで2連勝を挙げたアルドゥソがチャンピオンシップでのリードを19ポイントに拡大。スーパーTC2000の次戦となる第9戦は、9月30〜10月1日にオスカー・ファン・ガルベスのトラックを舞台に、伝統のブエノスアイレス200kmレースとして開催される。

新設されたシケインの影響で、サイド・バイ・サイドのコンタクトが多発。勝者アルドゥソのフルーエンスGTも傷だらけでフィニッシュ
ルノー・スポール勢はこれで4戦連続表彰台の頂点を占拠。パーフェクトウィークエンドとなった


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