「角田が成長する姿を見せ、それをレッドブルが理解してくれた」アルファタウリ残留に喜び/ホンダ山本MDインタビュー

2021年9月10日(金)18時7分 AUTOSPORT web

 スクーデリア・アルファタウリ・ホンダは2021年F1第14戦イタリアGPを前に2022年のラインアップを発表し、来シーズンもピエール・ガスリーと角田裕毅のコンビを継続することが明らかになった。


 ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは、角田の残留が決まったことを嬉しく思っていると語り、角田がシーズン前半で学んだことを後半戦で活かし、落ち着いてレースウィークを過ごしているとレッドブル側が理解してくれたことが残留につながったのではないかと述べた。


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──アルファタウリの2022年のドライバーラインアップに関する発表をどのように受け止めていますか?


山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):基本的にレッドブルの契約になってますので、最終的にレッドブルのドクター・(ヘルムート・)マルコとフランツ(・トスト/アルファタウリ・ホンダ代表)の間でいい話し合いができたのだなと思っています。私はホンダとして、彼(角田裕毅)が今年活躍してくれていることを含め、来年のシートを獲得できたことを本当にうれしく思っています。


──角田選手はホンダの育成出身のドライバーです。ホンダは今回の契約にどのように関わっているのか教えていただけますか?


山本MD:基本的にはF1に関してはレッドブルに決定権があって、彼らが決めているので、レッドブルが彼の速さを認めたということでしょう。特に後半戦に入ってから、彼が彼なりに成長する姿を見せ、レッドブルがそれを理解してくれたのだと思っているし、マルコさんからもそういうふうに聞いています。リザルト自体の数字だけではなく、彼がレースウィークをどうやって過ごすか、そういったことも含めてマルコさんがいろいろなことを評価して決めたのでしよう。


 実際、後半戦に入ってから非常に落ち着いてレースウィークを過ごしている。そういったことも含めてレッドブルやフランツが総合的に判断したのだと思います。もちろん事前にホンダにも契約を継続すると伝えていただきましたけど、そういった意味でうれしく思います。シートに関してはホンダが直接関わっているわけではなく、レッドブルが決めたことです。

ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター&角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


──マルコさんから伺ったのはいつですか?


山本MD:モンツァ(第14戦イタリアGP)の前くらいにはっきりするよ、と言われていて、ベルギーではまだサインしていないようなことを話していました。ただその(残留する)方向で考えているし、ベルギーやオランダのレースをしっかりと見てから判断すると聞いてました。


──ということは、直近の2戦は角田選手にとって非常に重要だったということですね?


山本MD:重要だったと思いますよ。もし、この2戦でまたクラッシュしていたら……。そういうことがなかったのがよかったし、特に個人的には彼自身が前半戦に学んだことを夏休み中にいろいろ整理して、後半戦はレースウィークの使い方に対して考えていることがすごく伝わってきた。そこがポイントだったと思うので、非常に良い結果になってよかったです。来年、ぜひ鈴鹿で彼が走る姿をいちファンとして見に行きたいです。

2021年F1第13戦オランダGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


──ファンのなかには、角田選手がF1に残留できたのは、ホンダがいるからだという人がいますが?


山本MD:レッドブルはホンダがいるから日本人にシートを与えるようなチームではありません。もちろん、我々としては数年前にザウバーと交渉したように、いい形でドライバーをF1に乗せられるようバックアップをしてきたことは否定しません。ただ、レッドブルにはそれは通用しません。レッドブルは実力のあるドライバーにしかシートは与えない。そして、今週発表したということです。


──今年の残りのシーズン、角田選手にどのような走りを期待していますか?


山本MD:決勝を見据えてきちんとステップを踏んで、週末をしっかり組み立ててほしい。F1に無駄な時間はなく、すべてが繋がっています。前半戦の角田は点でレースをやっていたと思うんですよ。それを線で繋げて、3日間をどうやっていくかが大切だということを彼も理解してくれている。後半まだ2戦ですが、それがここまで現れているから、今後もしっかり続けてレースで結果として見せてくれることを願っています。

ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター
ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター&角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

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